9月は、スポーツの秋、読書の秋、食欲の秋などいろいろ形容されますが、自然博物園の9月はキノコの秋です。キノコは食べられる?毒?と、食べることに注目されがちですが、キノコは食べられるために森に姿を現す訳ではなく、子孫を残すために現れるのです。また、その役割は、私たちが生きていくためにもっとも大事なことを見えないところで担っているようです。今回は「菌」を探しに講師の川上先生に詳しくお聞きして観察をしながらじっくり森を歩いてみました。森の中でよく目にする菌は、キノコとカビになりますがやはり目につくのはキノコ。目を近づけてみるとさらに様々なキノコの存在に気が付きます。先生曰く「名前もないキノコもありますよ」と。落ち葉や枯れ木、地面から出ているキノコのそれぞれの役割は腐朽か共生か寄生におおまか分けられるそうです。落ち葉をめくれば網目状の菌糸が貼り巡って、何十メートルといった大きなコロニーを形成しており、落ち葉や枯れ木を栄養にして土に還す役割を担っており、共生は植物と栄養の交換をすることでお互いに成長します。寄生も宿主に取りついて土に還す役割と、キノコやカビの活躍がなければ土がなくなり植物も育たなくなるのです。そんな菌のほんの一部分を知ることで、森歩きや森の見方が変わってきました。同時にマクロの世界に入り込んだおかげで、いままで見ることもなかった生き物を目にすることなど、皆さん感動する観察会になったようです。(スタッフ:まなべ)
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