自然博物園主催講座 植物分類の基礎講座
講師:沢 和浩氏(フロラ山形 東北植物研究会)
2017年9月10日(日曜)
 9月10日に開催した『植物分類の基礎講座』に参加者からの感想をいただきましたので紹介します。ワクワク感がつたわり、自然を楽しみ遊び心が伝わってきますね。S.Mさん、ありがとうございます。(スタッフ:まなべ)
 9月10日、友人と共に『植物分類の基礎講座』に初めて参加しました。植物は好きでもほとんど知識のない私たちは、他の参加者の玄人オーラに圧倒され、「植物分類の基礎調査目録」の資料と書きこみ用ボードを目の当たりにして、その専門的な雰囲気に戸惑うものの、講師の沢さんの、柄の長い釜を持った姿にほっこりし、「なぜ釜?どんなことするの?」とワクワクしながらセンターを出発。途中、道案内をしてくれるかのようにアサギマダラが出迎えてくれます。その優雅さはお気に入りの癒しの音楽が聞こえてくるようでした。
 到着したリュウキンカ広場は、木道が見えないほどに成長している植物たちに覆われ、湿地がうっそうとしているのに驚きました。植物をかき分けて進む木道は、これまで新緑の頃しか訪れたことのない私にとって、そこは私の知っているリュウキンカ広場ではありませんでした。沢さんの案内で湿地の中を歩けたのも初めての体験です。見るもの、説明してくださることすべてが興味深く、植物を踏みつけながら歩くことの、当初の心苦しさはいつの間にか消え、心の欲するままどんどん進みます。モリアオガエルに出会ったり、鮮やかなアゲハの幼虫のカラフルさに感心したり、寄生・共生している植物たち。それぞれの生きものたちのシンプルで巧みな力に歓声が上がりました。
 昼食後、先の水源地まで案内してくださることになり、途中よりトレイルを外れて森の中へ道なきところを進む。「藪こぎ楽しー!」こういう所は、体の中に潜んでいたわんぱく質が高まります。長靴でザブザブと源流まで探検し、静かに湧いてくるまろやかな味わいも楽しみました。湯殿山からの湧き水は、湿地の水温より2℃程低く5.2℃でした。この穏やかな湧水が湿地を潤し、石跳川の強い流れを担っていると考えると、時の流れと自然の雄大さを感じるひと時でした。
 帰りの道すがら沢さんがオレンジのキノコを発見し、持参の釜本領発揮で掘ってみると5~6cmのサナギ発掘!サナギタケの冬虫夏草でした。後程、「虫は菌に誘導されているかもしれない説」に、もしかしたら実は、人間もそれらの策略にはめられているのかもしれないと、勝手な妄想を巡らせて盛り上がりました。
 森の不思議・自然の在りように触れるたび、「人間はどうだ?私はどう?」と立ち止まり、振り返るきっかけをくれます。ネイチャーセンターは、いつ来ても、足しげく通っても常に新しい発見があり、「また行かなくちゃー!」と再び森を訪れる理由を見つけニヤリとした私でした。また次回を楽しみにしています。
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