植物分類の基礎講座 第2回・固有種ガッサントリカブト
解説・沢 和浩 氏(自然博物園IP/山形県植物調査研究会員)
2016年9月10日(土曜)開催
 秋の訪れを感じ、少し肌寒い小雨の中、朝10時にガッサントリカブトが初めて発見された場所を目指して、石跳川の登山道を登りました。植物の分類に明るい沢和浩氏の案内で目的地まで1時間半の予定でしたが、途中で様々な動植物の観察があり登りは2時間かかりました。園内のアザミは2種、ナンブアザミとダキバヒメアザミですが、後者にだけ虫が多く集まっており、「蜜の美味しさが違うのだろう。」とか「ヤシャビシャクは寄生植物と謂われる事が多いが、実際には寄生しておらず木の股に地衣類の堆積物等栄養の多い所に根がある。」との事でその様子を観察してみたり、今の季節に咲いているスゲは珍しかったり、低地では観られないシダの葉をひっくり返したり、ガッサントリカブトに辿り着くまでにも双眼鏡で除いたり、写真を撮ったりとジックリと観察しました。
 さて、月山周辺のトリカブトの生育地はミヤマオクトリカブトと低地(大井沢地区など)で観察されるオクトリカブトは2n=4x=32の4倍体種であるが、その中間地に生育するガッサントリカブト、イイデトリカブトは2媒体種である。また山形県内の標高1000メートル以上で多く、県立博物園は最も低地での確認できる場所である。さらに4倍体種のトリカブトの葉を噛むと口の中が痺れるが、2倍体種は毒性が少ないので葉を噛んでも口の中に刺激が無いとの事で、「試したい方はどうぞ。」と沢氏の話でしたが、誰もガッサントリカブトを口に入れる人はいませんでした。(スタッフ:細谷)
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