植物分類の基礎講座 第1回・新しい仲間の見分けと月山の植物
解説・沢 和浩 氏(自然博物園IP/山形県植物調査研究会員)
2016年6月11日(土曜)開催
 植物観察はその不思議や神秘に感動したり、その美しさや可愛らしさに喜びを感じたりします。そして名前が分かり種類が分かってくるとまた興味が湧いてきますよね。好みのものをまとめて体系をつくり分類することができるようになるとさらに面白くなってきます。ところが専門による区別が、近年のDNAの塩基配列による系統情報が充実してきたため容易になり、これまで日本で多く刊行された図鑑と、植物の分類が大きく変わった事実があるようです。そこで、新たなAPG体系(被子植物系統グループ)による図鑑に基づき講師の沢氏からどのよう変わっていったのかを説明を受けて、実際に自然博物園内の植物を観察しました。たとえば園内でも良く目立つ、(カエデ科)は(ムクロジ科)に入り、ギンリョウソウは(イチヤクソウ科)でしたが、(ツツジ科)に入り、オオカメノキは(スイカズラ科)でしたが(レンプクソウ科)になったなどで、これまでインプットされた(科)が予想以上に変わってイメージできないのが第一印象でした。しかし、これも植物の奥深さの要因の一つであり、生息している環境や進化の一端を垣間見ることができたり、改めて植物の根強い生き方を考えるきっかとなりました。分類は変われど、美しく可憐で、逞しく賢い植物をこれからも変わらず愛でてゆきたいと思います。(スタッフ:まなべ)
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