月山ブナの森楽園共催事業・ブナの森講座 ブナ森ミーティング第1回
 主催:ブナの森楽園 横山完 氏
2016年6月14日(火曜)
 第1回は、昨年大豊作だったブナの実が、実生として発芽する時期に合わせて、二つの項目をテーマ挙げて参加者と共に森を歩いてきました。
★ブナの実生群落に触れ、発芽率について考察すること
★実生繁殖と栄養繁殖の特徴から安定した森へのプロセスを推察すること

 切り口の一つとして、スタートする前に、実生の発芽率を事前に予測したのですが、各自十人十色の考え方が出て、多様性に富む参加者が集まり、今後への期待感が膨らみました。
 例えば「自然界にはシイナ、食害、病気により発芽できないものは20%〜70%位あるものだろう」
 「発芽してから生き残る為には様々な条件が必要になるとしても、大半は発芽するだろう」
 「自然界に無駄なものや無意味なものは無い。昨年の大豊作はそれなりに意味のある営みなので相当に発芽するはず」などなど
 予測結果は、1%〜80%と相当に開きがあり、いよいよ歩く前から"事実は小説より奇なり"のわくわく感で森歩きスタートです。

※発芽調査の結果は、6/2 1本、6/7  2本、そして今回[6/14]は7本確認。実の数は450個でしたから、今の所 7本/450個で発芽率は1.5%。まだまだ今後も発芽数は増えていくと思われるので早計の判断は禁物ですが、控えめに予測した主宰者(50%‥225本)としては、正直おだやかではなく、何故こんなに出足が鈍いのか不安、摸索中‥‥

 切り口その2は、ブナの実生繁殖と笹やミズナラの栄養繁殖を素材に、安定した森としてブナの森が成立する理由を考えたとき、少なくとも「競争力が強い」とか「寿命が長い」とか「成長が早い」ということでは説明がつき難いということです。

 更に、切り口3では、人工林のカラマツ林、二次林、さらに大木が倒れたギャップ(空隙)で、それぞれの天然更新の様子を観察したところ、目立つ高木や小高木(亜高木)は、ホオノキ、キハダ、カエデ、ミズキ、つる性植物、笹、アジサイ、タニウツギなどで、優先木であるはずのブナは意外に目立たないこと。それなのに原生林の森に入ると、ブナの純林になっていることに、改めて不思議な自然界の営みを感じあったのでした。
 以上、第一回目のブナ森ミーティングでは、森の安定までのプロセスは、競争の営みだけでは説明が付かないこと、自然界の独特な、人間の人智の及ばないような、興味深い神秘の営みがあるのではないかという感触を得たものになりました。定員どおり10名の集団で森歩きしながら2つのテーマに活気あるミーティングになりました。
 第2回目は7月12日(火)で、テーマは、
★実生の発芽その後
★イチヤクソウやギンリョウソウなどの腐生植物の戦略について
★林床の植物達の工夫
などを観察しながら安定した森の土壌を支えるブナの森の根っ子ワークをテーマにしたミーティング&森歩きを楽しみたいと思っています。
イベントの様子 (画像クリックで拡大)