2008年の歳時記です・園内の季節のうつろいを感じて下さい。
3月19日・ 今月、12日から始まった県道・月山志津線の除雪は天候にも恵まれ順調に進んでいるようです。 ネイチャーセンターも、2月からの排雪作業が実施され、東側の屋根には雪が無くなり、建物管理としては一安心というところです。 ところで、この時期の風景・ブナの梢が赤く染まる現象を「ブナ紅葉」と呼ぶ人がいますが、そろそろブナ紅葉のチャンスが訪れようとしているこの頃です。ブナの冬芽が膨らみ始めるということです。花芽が多い年はより膨らみが大きいので見事ですが、今年はあまり花芽は多く無いようです。 雪虫も普通に見られるようになりました。ヤドリギの実が豊作であるということを再三お伝えしていますが、その実を食べた鳥の糞が、雪の上にいっぱい落ちています。 ヤドリギとしては種が幹に付かないと成長できないので、ものすごい粘りを準備しているわけですが、それでも幹に付けず、雪の上に落ちてしまう実が多いことが解ります。
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4月02日・ 志津温泉、五色沼から姥沢駐車場までの約5.5キロの月山道路は3月下旬には除雪が完了し、姥沢では雪に埋もれたリフトの掘り起こしが始まりました。3月中旬から暖かい日が続いて積雪は昨年以下との事でした。例年通り、五色沼から先への一般車両の進入は4月10日まで出来ませんのでご注意下さい。
今日から月山道路からネイチャーセンターまでの管理車道もロータリー車が入り除雪が行われました。5月の開館に向けて着々と準備が進んでいます。
 玄海広場に石碑も見え始めています。人工林の沢筋のバッコヤナギも開花していました。
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4月06日・ 今日の月山は快晴、風も無く、気温もあがり絶好の山日和でした。2日の歳時記で紹介したように志津〜姥沢の月山道路、除雪が終了しましたが、その雪の回廊を歩くトレッキングが快晴のもと行われ県内外から170名の参加があったそうです。さて、博物園のネイチャーセンター前もご覧のように除雪が完了し、駐車表示が見えています。森のなかではブナ紅葉も赤く目立ってきました。ブナの花芽も膨らんできました。大トチも雪が減って存在感がでてきました。周海沼は野鳥観察小屋の屋根も随分見えてきましたが湖面はまだ開いていません。野鳥の声も大分賑やかになってきました。周海沼の近くではキツツキのドラミングが響きわたっていました。
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4月16日・ 4月10日の月山スキー場開きからネイチャーセンター周辺も一気に活気がでてきました。センターは予定通り5月1日のオープンに向けて準備中です。 さて、最近のブナの森の様子ですが、園内で、調査対象になっている植物の中で、最も早く咲くマンサクが4月13日に開花しました。昨年は7日だったので多少遅れています。ブナの冬芽の膨らみは、花芽を持ったものから、少し目立ってきて、山が赤く色付いてきました。ハウチワカエデの枝先は見事に赤く目立ちます。 木々の活動とともに、弓張平地区では草本も活気づき、ミズバショウに続いてザゼンソウも咲いてきました。
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5月01日・ 本日、博物園がオープンしました。この間の温かさで急速に芽吹きがすすみ、園内も花芽をもつブナはほとんど開花したようですが、花芽は昨年よりは若干多いように思いますが、豊作の年ではないようです。 タムシバが開花しました。昨年は5月7日だったので一週間早い状況です。これからブナの森は、新緑の状態が毎日変わります。同じコースを何度歩いても、新たな風景が楽しめ、そして私たちインタープリターの案内を利用すれば新たな発見があると思います。今年度も皆様のおいでをお待ちします。
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5月04日・ ブナの芽吹きは例年より早いスピードで、標高で1000m前後まですすみました。花芽のあるブナが早く芽吹くので、園内全体の芽吹き宣言は5月8日前後と思われます。タムシバに続いてベニイタヤが開花し、雪上藻も確認できました。 この時期は、ブナの原生林コースに加え、湿地帯の花コースも人気なのですが、石跳川に架かる橋及び途中のコースが極めて危険な状態ということで、当面の間、通行止めとしていますのでご協力下さい。
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5月06日・ ブナの芽吹きは予想を超える高温で一気に進み、5日、芽吹き宣言となりました。玄海広場からブナ広場、周海沼周辺まで、ブナの芽鱗が残雪を彩る雪紅葉が目立ち、萌黄色のブナの芽吹きが青空に映え見事です。カエデ類の春紅葉も彩りを添え、博物園の森は一気に癒しの季節に突入です。写真は6日撮影です。
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5月09日・ いよいよ新緑がすすみ、標高1100mまで達しました。園内の雪紅葉も根開きも完成度が増し、例年より10日以上も早く、写真愛好家をひきつけています。都会からの中学生の体験ツァーが今年も始まり、ブナの森は一気に賑やかになってきました。地元の小中学生を対象にした学習プログラムも始まり、インタープリターは、安全確保とともに、子供たちとブナの森をつなぐ手法をフル回転しています。さて、今年も雪上藻類が目立ってきましたが、研究者の設楽氏のお話しでは「こんなに見事な赤雪は園内では初めて」とのこと。近々設楽氏を講師に観察会を予定しますので是非ごらん下さい。ブナの実豊凶調査が今年も始まりました。この時期は花の落下を調べます。予想よりも意外に花は多いようで、経験に加え、科学的なデータの大切さも感じます。さあ、今年は凶作でしょうか、豊作でしょうか、ブナの実の豊凶は自然界に大きな影響を与えます。是非注目しましょう。
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5月23日・ 博物園の森は新緑一色に染まりました。萌黄色の柔らかな色から、燃えるような緑色に変わりブナの葉が輝いて見えます。雪紅葉も残雪一面に広がっています。イタヤカエデの春紅葉はそろそろ終り変わってムラサキヤシオツツジ、オオカメノキなど低木の花々が目だってきました。野鳥のさえずりも賑やかになり、センター近くではキセキレイ、湧水近くの沢ではミソサザイ、森ではゴジュウカラなどが競うようにさえずっています。
 気温が上がり、雪融けは相変わらず早く、残雪の状態は日々変化しています。今まで、人工林を経由して森に入っていましたが、雪融けに伴いブッシュが露出し歩きにくくなってきたため、玄海広場を経由するコースの木橋をなど整え、ジクザクコースから森へ入るように変更しています。また、元玄海の沢も雪橋は全てが危険になったため、木橋を掘り出し、確保してありますので必ず木橋を利用して下さい。また、残雪の厚さも薄くなっており、沢以外でも踏み抜く場所も出てきましたので注意して下さい。詳しくはネイチャーセンターで確認して下さい。
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5月28日・ 博物園の今年からの新しい企画「1日体験コース・カワクルミ沼、大門海沼コースの案内」が今日からスタートしました。実施はネイチャーセンターホームページでご案内のとおり、9時30分にネイチャーセンター前をスタートし、カワクルミ沼、大門海沼を案内するもので普段の半日コースの約2倍の距離を歩きます。月に一度、最終水曜日のみの企画ですが、参加料は無料で、日常案内では触れることの出来ない石跳川沿いのコースをご案内していきます。今回は好天にも恵まれ17名の参加がありました。博物園の森は特に残雪期は日々様相が変化し、新しい発見があります。次回は是非、あなたも参加してみませんか。詳しくはネイチャーセンターで確認して下さい。
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6月01日・ 例年に増して雪融けが速く進み、博物園は日に日に初夏の装いに変わっていきます。今日、玄海広場では森に初夏を告げる「エゾハルゼミ」の初鳴きが聞かれました。昨年とほぼ同時期の観測です。原生林では未だですが、人工林、玄海広場では懐かしい鳴き声を響かせています。 トレイルはずいぶんと夏道が露出してきました。元玄海のスノーブリッジは完全に姿を消し、湧水の木道もほぼ露出しました。湧水の周囲には整理ロープが張られ安全も確保されています。例年、モリアオガエルやクロサンショウウオが産卵する大トチ前の池も雪が消えて水面が見え始めています。産卵も間近いことでしょう。トレイルの散策で残雪の上を歩くのは湧水上の一部、ブナ広場から周海沼までの一部だけとなりました。周海沼の野鳥観察小屋もすっかり現れています。
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6月04日・ 環境保全活動第一弾:遊歩道保全活動が始まりました。今年も「東京ガス労働組合」と「県青年の家」の主催によるボランティア活動として5/24と5/31に実施され、いつもより早いスタートがきれました。おかげさまで、環境を守るための歩道がほぼ完成しました。ほんとうにありがとうございます。博物園主催の「遊歩道保全活動」の第一回目は6/24(火曜日)に予定しています。多くの方の参加をお願いします。
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6月18日・ 3.2キロのネイチャートレイル上の雪は、周海沼手前のギャップを残しほぼ解けました。昨年の雪融けが6月17日だったので、結果的には昨年並みの季節変化と言えます。雪融け後の森はエゾハルゼミの大合唱と両生類の産卵が話題です。 館内は、季節変化に照応して展示換えをしていますので是非ご覧下さい。特に「ギャラリー姥ヶ岳」の『森の不思議な昆虫‥オトシブミ』の写真展は昆虫の業師を感じることができると思いますので是非おいで下さい。
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6月26日・ ようやくネイチャートレイル上の雪が完全に解けました。園内の森には雪解け水が豊富で渇水の心配はありませんが、梅入りしたのに雨が少なく、乾燥し、この時期の本来の活気がありませんでした。しかし、昨日の雨で、森に潤いがでてきたのか、ダイセンヤマナメクジとギンリョウソウが目立ってきました。これを契機に梅雨の風物詩が続々と現われ、活気みなぎるブナの森になることでしょう。是非梅雨のブナ林を歩きましょう。なお、館内は常に四季の変化に応じた新鮮な展示を心掛けていますので、館内の時間も充分にとって下さい。「月山ギャラリー」も模様替えで、お待ちしています。
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7月04日・ 相変わらず梅雨時期なのに雨が少なく森が乾いていますが、湿地帯にはミツガシワの他にハクサンチドリが、玄海広場にはクリンソウが、原生林にはギンリョウソウが目立ってきました。 湧き水は気温の上昇とともに冷たさが際立ち、おいしさが倍増しています。ブナの森の湧水が低温で栄養価に富むことを実証するかのごとく、伏流水や湧水の所には藻類のミズオが一段と目だってきました。
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7月12日・ 梅雨の森はしっとりと潤い、一年のうちで最も活気ある時期になりました。いい汗をかいた後の湧き水は最高です。雪が解けてしまったのに、ブナの森の湧き水は何故こんなに冷たいのでしょうか。今日は玄海広場にある親水コーナーの保全活動を紹介します。博物園スタッフによってこの間、親水コーナーの草取りや泥の撤収のおかげで、利用しにくかった親水コーナーが生まれ変わり、子供たちが安心して川遊びができるようになりました。
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7月21日・ 夏休みに入り、最初の3連休は天候に恵まれ、月山はびっくりする程に混雑したようですが、ブナの森は適度な利用でとても快適な空間でした。難を言えばまとまった雨が欲しいところです。
 三連休の最終日は「クロサン通り」の保全活動が実施されました。今回は、森の様子とともに夏休み特別企画をお知らせします。
 親子を対象にした「絵本の読み聞かせ」を開催します。8月3日(日曜)と9日(土曜)の午前10:30からと午後2:30からの2回です。会場はネイチャーセンター前の広場(特設会場)で参加料は無料です。どなたでもお気軽においでいただきたいのですが、準備の都合で 申し込みが必要です。定員は親子10組ですのでお早めに。絵本は「1,000,000本のブナ」「999匹のカエル」など。主催は「わかば会」の皆さんたちです。
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7月29日・ 梅雨が明けてからの雨量がありがたいこの頃で、今の森の魅力をお届けします。 先ずは、待っていたショウキランがようやく現れてくれました。まだ個体数が少ないですが、その分輝きが増します。 この時期のもうひとつの楽しみはヒメボタルの輝きでしょう。30日は「ヒメボタル観察会」を予定していますが、タイムリーなイベントになりそうです。地元の旅館では、静かな人気サービスになっているようで、「昨夜も訪れ、お客さんも感動していたよ」とのこと。 更に最近の話題はヤマネとの遭遇です。意外な所での遭遇にインタープリターも感激。 ショウキランとヒメボテルとの出会いは森に入れば誰もが出会えますがヤマネとの出会いとなると偶然か、回数を重ねるしかないのではないでしょうか。
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8月03日・ 8月3日(日曜日)は共催イベントとして「読み聞かせ会」が開催されました。「わかば会」が主催したもので初めての試みでしたが、「わかば会」の想いが伝わり20人を超える参加がありました。 会場はネイチャーセンター前の広場で、直射日光を受ける所でしたが、予想通り、参加者の心をつかみ、最後まで集中して3冊の絵本を読み聞かせてくれました。 9日(土曜日)にも開催予定ですので是非多くの親子に参加してもらいたいと思います。
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8月14日・ 久々に激しい雨が降り、森は歓迎しています。記録的に少なかった6〜7月の降水量(平年の4割)のために森は乾ききって、湧き水にも影響が出ている園内です。 さて、立秋以降、園内はキノコが目立ってきました。今年はできるだけまめに園内のキノコを紹介していきたいと張り切っています。 この時期の人気は「チチタケ」です。地元では食べる習慣が無いのでほとんどは遊びの対象として話題になります。名前のいわれでもありますが傘に針で穴を開けると乳液が出るのです。 園内は採取禁止のルールで運営しています。食、不食、有毒、無毒などに関わらず、全てが観察するだけになりますのでご協力お願いします。キノコがあふれる豊かな森をご案内したいと思います。
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8月15日・ 昨晩、志津地区にハムシが大量に出現。 地元ではあまり見かけない虫なので話題となり、今朝にはネイチャーセンター周辺でも確認でき、月山荘周辺も弓張平地区でも異常発生を確認しました。 博物園スタッフが調べたところ、おそらく「ウエツキブナハムシ」ではないか、と思われます。 弓張平地区には8月12日頃に現われ、志津地区では14日に異常な出現を確認。過去に例が無いのでこれから経過観察をしっかりと行いたいと思います。写真‥この度、異常発生したハムシの成虫。サイズは1cm弱
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8月17日・ ミヤマシシウドは高さ2メートルまで伸びる大きな植物です。 ひとつの株のなかに、まだつぼみのものから、開きかけ、大きく開ききった花までいくつもついていて、まるで花火が開く瞬間をスローモーションで見ているようです。一番てっぺんは空に向かって広がる花を見上げることになります。 お盆も過ぎ名残惜しいところですが、ミヤマシシウドの花火も大輪の花を散らせ、夏の終わりを告げているようです。
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8月20日・ 猛暑の続いた8月前半がうそのように、博物園の森は涼しく、というよりはむしろ肌寒いくらいの気温が数日続き、植物たちはしずかにゆっくりとではありますが、秋の準備を始めているようです。ススキが穂を出し、木々の葉は濃厚な緑から黄緑に変わりはじめ、木の実も徐々に色付きはじめています。 さわやかなこの時期、ゆったりと博物園内を歩きながら、紅葉前の、森の小さな変化を楽しんで見ませんか?
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8月21日・ 8月を迎えると虫たちの活動が盛んになります。中でもやっかいなのがスズメバチ。毎年この時期から9月にかけて話題を提供してくれます。昨年はオオスズメバチに通行止めを余儀なくされました。今年も原生林散策路脇の立ち枯れしている木の"うろ"に、キイロスズメバチらしき巣を発見しました。スズメバチに悪気はなくても散策する上で安全を確保するために、駆除することに。そしたらなんと、この立ち枯れにさらに営巣していたのが、ヤドリスズメバチなるものがいたのです。大きさは15ミリ前後と小さ目ですが、怖いのは同様です。営巣した高さはキイロスズメバチが約5m、ヤドリスズメバチが約3mとやや高いところにあるため駆除も完全ではありません。少しの間様子を見るために通行止めをしていますので、ご協力願います。詳しくはネイチャーセンターの受付カウンターに確認してください。
 ハチの駆除に午前と午後原生林に出向いた時のブナ林の変化です。雨模様から天気になるまでブナ林の様子が変わって行きます。どのブナ林がお好みですか?
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8月26日・ 園内を歩くとオタカラコウというキク科の植物が目を引きます。葉を大きく広げて、あちこちで黄色い花の塔が立っています。写真のようにつぼみのうちは頭を下げ開花とともにまっすぐに立ち上がります。 名前は漢字で書くと「雄宝香」。宝香とは龍脳香(りゅうのうこう)のことで、龍脳香とはラベンダー油に含まれるアルコールの一種の香だそうです。そしてオタカラコウの根は、この龍脳香の香りがするのだそうです。参照『日本野生植物館』(小学館) 根っこを掘り出すことはできませんが、きっといい香なのだろうと想像しています。(渡部)
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8月27日・ 園内の散策路に飛び出している"支障木"を処理しました。自然の中を自然らしくがモットーですが、著しく通行を阻害する木は遊歩道を逆に傷めてしまいます。その支障木にキハダの木がありました。ミカン科キハダ属で建築や家具材などにも使われていますが、胃腸薬としても知られています。 キハダの実は春先まで残り噛むと柑橘系で苦い感じがしますが、皮はそれこそ苦く「良薬口に苦し」がぴったりです。名前の由来も皮を剥いたそれを見れば一目瞭然です。 キツリフネソウの群生を見つけました。山地の湿り気のあるところに生息し、園内のそういったところには良く見かけます。写真の場所は群生地がはっきり分かれていて、林床のチシマザサの倒木のところだけに群生しています。倒れたブナがまさに自然のプランターですね。(眞鍋)
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8月28日・ 「木の実はなぜ赤い???」 8月下旬、樹木の葉は緑色で紅葉にはまだまだ早いのですが、すでに木の実は色付き始め、森に秋の訪れを告げています。 さて、この時期に目立つ木の実の多くは赤い色をしています。緑、紫、黒、黄色、いろんな色の実があってもいいはずなのになぜだろう?と不思議に思ってちょっと調べてみました。 調べた結果は、鳥たちに「私の実はおいしくて食べごろですよ」と知らせるためだそうです。なるほど、言われてみれば納得!!鳥に実を食べてもらい、遠くまで種を運んでもらうには目立つ必要があるわけです。さらに鳥はほかの動物とちがって【赤色】を識別できるのだそうです。緑の葉っぱの中に赤色の実があればとても目立ちますよね。 さらに赤1色だけでなく、黒や紫との2色、3色づかいをして少しでも目立つように工夫しているものもたくさん見られます。少しでもきれいに着飾って、鳥に目を向けてもらえるように頑張っているのですね。 秋本番の紅葉の前に、色とりどりの木の実を探しに森に出かけるのも楽しいかもしれませんよ。(倉本)
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8月29日・ 確実に秋の気配が感じられるものにキノコがありますが、キノコシリーズ第2弾として傘とひだと柄の3部で構成されている「きのこらしい形」をしたきのこではなくて、形がとても複雑多様であることが特徴の「ヒダナシタケ類」の一部「サルノコシカケ科(タコウキン科とも言われます)などの仲間を紹介します。 これらはいずれも革質かコルク質か木質で、固く、多年生が珍しくない。分解が極めて困難な、木材の成分であるセルロースやリグニンを分解してくれるキノコなのです。 コフキサルノコシカケ(マンネンタケ科)は、とても固く、時間をかけて少しずつ大きくなる多年生ですが、急に成長する時期があり、突然に目立ってくるときがあります。 ツリガネタケ(タコウキン科)は、肉は強靭なフェルト質で、コフキサルノコシカケと同様に広葉樹材を分解してくれるキノコです。(横山)
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9月03日・ 8月15日の歳時記でウエツキブナハムシが大発生していることはお伝えしました。あれから約3週間、ブナの葉に鈴なりになるほどに見られた成虫の姿は博物園の森ではあまり見かけなくなりました。 この虫は幼虫、成虫ともにブナの葉っぱを食べる虫です。どんな虫か、実体顕微鏡で、卵や幼虫を見てみました。卵はわずか1ミリ前後の大きさです。 この虫がついたブナの葉は、枯れて黄色っぽく変色、まだ9月初旬というのに遠目で見ると紅葉のように見えます。10月の本格的な紅葉シーズンにどんな影響があるのか気になります。(渡部)
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9月10日・ 9月に入り好天が続くようになりましたが、朝晩は日に日に冷え込んで行きます。寒暖の差が出ると紅葉も一層目立つようになりますが、今年はウエツキブナハムシのおかげで期待できそうにありません。それでは花より団子ということで、秋の味覚のキノコついて。 博物園内のあちこちに目立つようになりましたが、ナメコも一気に出ました。それも、遊歩道保全に敷いたブナの輪切りにです。これまでも、出てはいましたが今年の量は違いました。近くにはヒラタケも出ています。但しこれらは博物園内の観察として、皆さんに見て頂くため観察中の札を立てていますので、味覚の秋と言えども採取はご遠慮願います。また、毒キノコのツキヨダケが観賞用のように出ています。みごとなキノコたちを見にお出でください。 さて、今日は素晴らしい青空が広がり清々しい森でした。ふと見上げるとなにやらぶら下がっているものが・・・、蛇の脱け殻です。そこは、3月に最高積雪時にしか人の手では触れることができない場所です。さぞ気持ちよく脱皮できたことでしょう。詳しい場所は画像で確認してください。(スタッフ眞鍋)
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9月27日・ 「アキノギンリョウソウ」:7月はギンリョウソウが顔を出し、私たちを楽しませてくれました。今度はギンリウソウに似ていますが秋に咲くアキノギンリョウソウが姿を見せています。 漢字で秋銀竜草と書き、全体の姿を銀色の竜に見立てた名です。根には菌類が共生して、そこから栄養をもらっているので、太陽の光が当たらないところでも生活できる面白い植物です。( 研修員 渡部)
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9月29日・ 月山には初冠雪が観測されて、一層寒さが増しているところですが、今日は少し天気が穏やかになり白い帽子を被った月山や、うっすら雪化粧の大朝日岳が綺麗に見えました。ブナの森はと言うと強い風にいじめられたようで、枝や葉が遊歩道にたくさん落ちていました。特にブナハムシに枯らされた葉が落ちて、ブナの森が明るく感じました。そして足下には落ち葉のクッションができました。これはやはり珍しいことで、本来ならば紅葉が終わった11月の出来事ですから。(スタッフ 眞鍋)
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9月30日・ 「ニシキギ三姉妹」:博物園内ではニシキギ科・ニシキギ属の植物が数種類ありますが、身近に見られるものでは“マユミ” “コマユミ” “ツリバナ”の3種類があります。どれも果実が濃いピンクに色付き、その実が熟して割れると、中から鮮やかな赤い種が飛び出します。それぞれ少しずつ形や大きさが違っていて、よく見ると特徴的で面白いものばかりです。園内ではこれらの実が見頃をむかえています。(スタッフ:倉本)
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10月05日・ 今日は寒河江市の寿町子供会が来園してくれました。組織体制がしっかりしていて事前打ち合わせで半日のプログラムができていたので、有意義な散策ができたと思います。幹事の皆さん、ありがとうございました。
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10月08日・ 博物園の森は、ここ2〜3日で急に紅葉が進みました。トチやキハダの黄色、ハウチワカエデやオオカメノキの赤もぐんと目立つようになってきました。ブナの葉が早く落ちたおかげで、低木類が太陽の光をたくさん受けてきれいに紅葉しているようです。その中でひときわ目を引くのがウルシです。ヤマウルシとツタウルシ、どちらも秋の光を浴びてキラキラと輝いています。きれいなので思わず触ってしまいそうになりますが、触れるとかゆくなるので御用心!(スタッフ:倉本)
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10月10日・ 秋本番、博物園の森はとてもきれいです。 今年はウエツキブナハムシが異常発生し、成虫と幼虫にブナの葉を食い荒らされ、紅葉は期待できないとの報道が多く流れていますが、その情報に反してブナの森はすばらしい!ブナの葉が落ちたことで原生林の中は見通しがよく、低木類の紅葉がきれいに見えることと、なんといってもブナの葉のじゅうたんが見事!茶色の落ち葉に赤や黄色の葉がよく映えます。ふかふかの落ち葉の上を歩くと、カサカサという葉っぱの音が耳に心地よく、とても癒されます。ちょっとのことでは動じないのが原生林、さすがです。ブナハムシのおかげ!?で、例年とは違う博物園の秋を楽しむことが出来そうです。(スタッフ:倉本
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10月12日・ 今年の秋の森は不思議がいっぱいです。 森の歩き方として視点を変えたり、一歩踏み込んだ見方をすることで様々なことが見えてきます。 忘れていたことを思い出したり、ゲストの方から教えられたりと、森の中は発見や不思議がたくさんあって、いつもわくわくしながら歩くことができます。 今年の不思議はなんといってもブナハムシの出現によるブナ枯れです。まだ博物園は紅葉真っ盛りでもないのに、すでにブナが落葉しています。落葉後のブナ林はとても美林で白いブナの幹が綺麗です。足元の落ち葉もさらさらとやさしく気持ちよく歩くことができます。これが、今年は紅葉を見ながら体験できるのです。ブナハムシとブナの攻防が始まっているかもしれません。でも何十年ぶりのこの現象はもうすこし楽しめそうです。(スタッフ:真鍋)
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10月15日・ 紅葉も進み、秋の花も残り少なくなってきました。森も冬支度に入っていますが、そんな中、薄紫色のノコンギクが咲いています。自然博物園に向かう途中の道沿いにも、この花をまだ多く見ることができます。ノコンギクは漢字で野紺菊と書き、野に咲く紺色の菊の意味です。景色が寂しくなっていく中で、この花を見るとほっとします。 (研修スタッフ:渡部)
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10月19日・ ブナ林にトラップを9箇所おいておき、集まったブナの実を数えて今年のブナの実のつき具合を調べました。1ヶ月間置いておいたトラップの実を集めに行くと、ブナの落葉がたくさん入っていました。例年は10月半ばであればまだブナの葉は梢で黄色い葉を広げています。今年はウエツキブナハムシの影響で、早くも茶色になった葉が落ちてしまったのです。さて、ブナの実のなり具合は、残念ながら不作でした。ブナは数年に一度の周期で沢山実を落とします。トラップひとつに200粒以上で豊作といわれますが、今年は多くて数十粒しか入っていません。クマやリス、ネズミなどの動物は、あちこち走り回って冬越しの食料を探さなければいけないようです。 (研修スタッフ:渡部)
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10月21日・ 中間木の紅葉がきれいです。10月も残すところあと10日になってしまいました。今季のNCでの活動がもうすぐ終わります。夏から一気に秋を迎え寒くなり、あっという間に終わってしまうような感じですが、このところの天気は良好で、森の中にはいくつもの陽だまりがあって寒さを忘れるほどです。それは、今年賑わしてくれたブナハムシが落葉を早めてくれたおかげです。落葉後のブナ林は見通しがよく、陽射しが差し込みとても気持ちがいいです。そしてその陽射しが、色付いたハウチワカエデやクロモジをみごとに照らして明るい森になっています。林床のコケやシダ類も照らし出されて、きれいな緑の輝きを放っています。(スタッフ:眞鍋)
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10月22日・ 大量の落ち葉に一喜一憂です。 これまで歳時記で何度も紹介したブナハムシは大量のブナの落ち葉をつくりました。その結果サラサラの遊歩道を歩くことができて喜んでいました。さらにサワグルミも同時期に落葉したので一気に落ち葉の量が増えました。やはりこうなると喜んでばかりいられない状況があります。 水路には大量の落ち葉が詰まりよどみを作ってしまいます。今日もその落ち葉を取り払う作業に取り掛かる羽目に・・・・。すると落ち葉が詰まりよどんでいる水の中になにやら動くものが・・・。岩魚です。大小さまざまな岩魚たちが行き場を失っていました。 成虫が飛んできた時には、体が丸くなるほどブナハムシを食べ尽くした岩魚も今は、大量の落ち葉に四苦八苦しているようです。やはり大量発生がもたらす影響は続くようで、人間は一喜一憂かもしれませんが、もしかすると生死に関わることが起きているかもしれません。でも、自然は我々人間の空想をはるかに超える逞しさをもっているので、このまま一喜一憂を楽しみたいと思います。(スタッフ:眞鍋))
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10月26日・ 10月26日「地域交流イベント」の一環で、森に感謝する儀式として献茶が行われました。ブナの森への感謝を込めた献茶は、毎年ネイチャーセンターで行われていたのですが、今回は、弓張平公園のオートキャンプ場にて実施しました。この日は、博物園とNPOエコプロの共催イベントで、六十里越街道を歩くことで、地域の文化や人や施設に触れる目的もあって(詳しくはイベント報告参照)、今回のコースの途中にあってとても快適な施設:オートキャンプ場を会場に、献茶とともに参加者にお茶のもてなしもしてくれました。 献茶を演じてくれたのは『裏千家ノース山形青年部OB会』の淡交会の仲間9名です。本格的な茶道を心得る会ですが、その場に応じ、柔軟な心で私たちと弓張平地区の自然を真摯に受け止めてくれました。 街道を歩いた参加者の皆さん、淡交会の仲間の皆さん、ほんとうにありがとうございました。そして、弓張平の地域の皆さんの協力に感謝申し上げます。)
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10月28日・ 2Fボ〜っと見るコーナーから眺める玄海広場。10月も残すところ3日となりました。今週に入って寒波が押し寄せ、寒さが戻りいよいよ11月を迎える気持ちと体の準備が高まってきました。今日は姥ヶ岳に厚い雲がかぶさっていて、時折雲の端っこに白いものが見え隠れしています。そんな厚い雲の隙間から青空が出て、落葉後のブナ林に日が差し込むと、そこだけ輝きまるで花が咲いたかのように白くなります。落葉後のブナ林の輝きのひとつです。2階にあるボ〜っとするコーナーは、何も考えずただただボゲ〜っとするだけ。気持ちが安らぎますよ。どうぞ来年はボ〜っとしにお出でください。寒空を見ていても心はあったまりました。(スタッフ:眞鍋)
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10月30日・ 10月29日、朝から冷たい雨の降っていました。10時頃、姥沢小屋から電話があり、「雪が降ってきて積もりそうだぞ」とのこと。さすがにネイチャーセンターではまだだろうと思っていたのですが、お昼を過ぎた頃から雨に混じって白いものが・・・雪です!! そんな中、紅葉号のお客様4名を案内しましたが、さすがの寒さに短縮コースでのガイドとなりました。でも、白い雪の中に真っ赤なもみじがとっても美しく、絵のような風景にうっとりでした。  通常案内は明日(31日)で終了ですが、11月3日、9日、16日は11月の魅力満載でブナの森をご案内いたします。落葉後の森を一緒に楽しみましょう。寒さ対策を忘れずにお越し下さい。(スタッフ:倉本)
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11月20日・ 博物園から弓張平に拠点を移り、初めての活動が「スケッチクラブ」の例会となりました。博物園の公式イベントではありませんが、スケッチクラブ会員は、1年を通して月山の四季を見つめています。今シーズンも冬の活動を行うことになりました。 オフシーズン最初の活動を歓迎するかのように雪が降り積もりました。こんな雪の中、今回は7名の参加がありました。予想以上に積雪も多く、スノーシューを履いてもひざ上までの雪・・・。交代でラッセルをしながら、弓張平キャンプ場周辺のブナの二次林を散策しました。すら〜っと立ち並ぶブナの枝に新雪が降り積もり、なんともいえない幻想的な雰囲気に包まれた二次林、原生林とは一味違った雰囲気に感動!キャンプ場のナナカマドは真っ赤な実をつけたまま雪をかぶり、白と赤のコントラストが見事!いい汗をかき、すがすがしい気分になりました。 昨年の11月は、ふかふかの落ち葉の上を散策したのですが、同じ11月なのにこれだけ景色が違うのもこの時期ならでわですね。この雪が来月にはどれくらい積もっているか楽しみです。(スタッフ:倉本)
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11月27日・ ネイチャーセンターが10月でクローズしてほぼ一ヶ月が過ぎようとしています。今月まで園内を散策する主催イベントがあったので、参加された方は落葉後のブナ林と初雪を楽しむことができたと思います。 今月は20日の寒波で降った雪が一気に積もり、ネイチャセンター付近は1メートルを超えてしまいました。引越し先の弓張平地区でも50センチ以上になりました。その後は穏やかになったりもしましたが、根雪になりそうです。一気に積もった雪はさっそく樹木を倒し、耐え切れなく折れている木が目立つ時期です。おかげで見晴らしは更によくなって、スノーシューイングが楽しみになってくる時期でもあります。歩くにはまだ凸凹があり少し大変ですが、ゆっくり初冬を満喫するには十分の積雪ですので、遊びにお出でください。(スタッフ:眞鍋)
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12月01日・ いよいよ今日から12月、パークプラザの雪囲いも一通り終わり、あとは雪が降り積もるのを待つばかりとなしました。 さて今日は、現在の弓張平公園の様子をお伝えしたいと思います。天気もよかったので、公園内の冬のトレッキング定番の場所、「合体ブナ」に会いに行ってきました。まだ積雪量が少なく、沢が開いていたりヤブが出ていたりと、安全に歩くにはあと1メートルは雪がほしいところですが、なんとか「合体ブナ」にたどり着くことができました。真冬に見るときとは違い、コブだらけの枝がまだ高い位置にあったり、2本のブナが根元から絡み合っている様子が見られたりと、いつもとはちょっと違う「合体ブナ」との約7ヶ月ぶりの再会に感激し、帰りはうれしくて思わずスキップで戻ってきたのでした。この新鮮な感動を一人ではなく、いろんな人と共有したいものです。早く雪が積もるといいですね!(スタッフ:倉本)
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12月11日・ 今日は、久しぶりにパークプラザから抜け出してネイチャーセンターの森の様子を見に行ってきました。先月末の大雪以来でしたが、積雪はそのときの半分以下でした。そのときの湿った重たい雪の影響なのか、ずいぶんと枝折れ・幹折れなどの傷ついた樹木が目立ちます。折れた枝の先にはヤドリギやツルアジサイがついていて、なかなか近くでは観察できない植物が間近で見られました。また、湧き水を過ぎてすぐの原生林入り口には、根っこから倒れてしまったブナの木がありました。根元が腐り、弱っているところに重い雪が枝に圧し掛かり、倒れてしまったのでしょう。自然のサイクルとはいえ、少しかわいそうな姿でした。 今日はトレイル上を忠実に歩いてみたのですが、雪の量が少ないとはいえ、ササや低木、もちろん遊歩道もすでに雪の下に隠れてしまっているので遠くまで見通しがよく、森の中はずいぶんと印象が違います。今週からスノーシューのガイドも始まりました。残念ながら今日は参加者0で案内はなかったのですが、冬の森もとてもきれいですので、ぜひ一緒に歩きましょう。お待ちしております!
(スタッフ:倉本)
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12月18日・ 今日は、冬の森で見つけた色鮮やかなものを紹介します。まずは、ネイチャーセンター正面のサワグルミの木のそばで見つけた「ツルウメモドキ」です。ニシキギ科の落葉つる性植物で、実がとてもきれいなので生け花などにもよく使われます。まっ赤な実がとても鮮やかでパッと目を引きます。葉っぱがあったときには、ここにツルウメモドキがあることに全く気がつかなかったのですが・・・。その側には、「ウスタビガの繭」がありました。ヤママユガの仲間で、その名の通り繭を作ります。種類によって繭の形や色は様々ですが、ウスタビガの繭はきれいな黄緑色が特徴です。周囲に何もなくなるこの時期はとても目立つのですが、繭の中にさなぎがいる時期は緑の葉が生い茂っているので、緑色は保護色になるわけです。最後は、真っ白な雪の中にオレンジ色のものが・・・。これはノウサギのオシッコ(いわゆるアカション)です。においは臭くなく、むしろいいにおい?がします。普通、春先になると発情期に入ったメスがするものと言われているので、この時期にアカションが見られるのはなぜなのでしょう?雪が少なく暖かいせいなのか、それともこの時期にもメスは発情するのか、自然界はまだまだ謎が多いのです。ちなみに側にある丸いものはフンです。これから、真っ白い雪の上にウサギのフンが目立つようになります。このフンで、携帯ストラップなどのかわいいアクセサリーを作ることができるのですよ!皆さんも拾って作ってみませんか?
(スタッフ:倉本)
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12月19日・ 12月のスケッチクラブはスタッフも含めて14名の参加がありました。先月は弓張平公園近辺の散策だったので、今回はネイチャーセンターのほうに足を延ばすことにしました。先月末の大雪以来ほとんど雪が降っていないため、雪は固くしまり、まるで春の山を歩いているようでした。この日も雪ではなく雨が降ったり止んだりの天候でした。
 目的地は原生林入り口です。雪が少ないとはいえ、歩きなれたセンターのトレイルも、すっかり雪で覆われ、いつもの景色とは違って見えてとても新鮮な気持ちです。動物の足跡をあちらこちらに見ながら、湧水にたどり着きました。付近には雪の影響で倒れたブナや枝折れの樹木が目立ちます。これも自然の営みの一部なのでしょうが、見ている私たちからすれば何とも痛々しく感じ心が痛みます。それぞれの思いを胸に、そんな樹木の姿と向き合ってスケッチをしました。美しい自然だけではなく、朽ちていく自然、荒々しい自然、様々な自然の姿があることにあらためて気づかされた一日でした。(スタッフ:倉本)
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12月27日・ 久し振りの風雪が2日続きました。26日は博物園の共催イベントが、27日はNPOエコプロのネイチャースキーツァー事業が、更に、地元宿が企画した宿泊型スノーシュートレッキングが実施され弓張平公園パークプラザが本格的な冬到来とともに、ようやく活気を呈してきました。 本格的な風雪は、ブナの森を一気に変え、独特な世界を創り出しました。相当に強い風を伴った雪でしたが、風の厳しさを示した風景かと思うと、場所によっては、風も無くおだやかなために、きづりかかる風景になったりと弓張平公園を4キロ程度歩くことで多様な風景に出会えます。是非おいで下さい。(スタッフ:横山)
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1月5日・ 皆様、明けましておめでとうございます。2009年もどうぞよろしくお願い致します。 さて、年末年始にかけて本格的な雪が続きましたが、志津・弓張地区も待望の雪です。センター付近の積雪がどれくらいになったのか、確認がてら、今年初のスノーシュー歩きをしてきました。地滑り対策工事は年明けも続いているようで、月山荘手前まではきれいに除雪されていて、雪の壁は約1.5メートルでした。その壁をよじ登ってセンターに向かい歩く途中、ブナの実が一粒だけ雪の上に転がっていました。秋から木の上に残っていたブナの実が風で落ちたのでしょうか?それとも動物の落し物なのでしょうか? ひざ下までのラッセルをしながらセンターにたどり着くと、屋根から落ちた雪で軒先と地面がつながっていました。この光景を見ると居ても立ってもいられず、思わず登ってしまったものの、案の定片足がズボッと雪の中へ・・・。予想していたものの思わずビックリ!皆さん、危険なことはやめましょうネ! また、センター前の積雪は約2メートルでした。ここは風がとても強く雪が飛ばされるため、周囲と比べて少し積雪量が少なくなります。おそらく森の中は3メートルに近い積雪量となっているでしょう。だいぶ沢も埋まり、歩きやすくなりました。本格的なラッセルも楽しめそうです。思いっきり汗をかいてスッキリしたいときは是非、森歩きに来て下さい。(スタッフ:倉本
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1月15日・ 月に一度のスケッチクラブ例会、本日の参加者はいつもよりちょっと少ない7名です。街のほうもだいぶ雪が降った影響でしょうか・・・。弓張平も、時折視界がなくなるくらいの吹雪です。にもかかわらず、こうやって足を運んでくれるスケッチクラブの会員には、頭が下がります。まずは夫婦ブナ目指していざ出発!!しかし、股下まである新雪に、もがきながらのラッセルでなかなか前に進みません。ようやく夫婦ブナに着き、ちょうど雪と風がおさまったところでスケッチをするものの、それもつかの間、あっというまに吹雪きに。そんな悪条件の中でも、幹肌や雪の美しさに感動しながら、約2時間のスノーシュートレッキングを楽しみました。スケッチクラブのみんなと歩くと、見慣れた風景が、いつもと違って見えるから不思議です。様々な感覚で自然を見ているんだなあと、気づかされることがたくさんあります。心が豊かになった、そんな2時間でした。。(スタッフ:倉本)
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1月26日・ 積雪深が安定して3mを超えるようになるとネイチャーセンターの屋根が繋がります。屋根先が地面の雪と繋がると、雪が解ける際に軒先が引っ張られ、へし折られるので、それを防ぐための排雪作業が必要になります。 今年も順調に雪が積もっているのでそろそろ作業が必要な状態です。管理車道入り口の積雪深はこのところ4mラインを行ったり来たり。平年並みの積雪が6m前後ですが、これから2m増える1ヶ月が尋常ではなく、豪雪地帯ならではの今後1ヶ月なのです。里では、もうそろそろ峠を越えたかな、というこの時期に、志津地区では本降りになるわけですが、積雪が6mになるというのは、雪を降らす側にとっても並たいていの努力ではないようで、それほどにこの間は、降っても降っても5mには至らず、3mから4mの間をさまようのです。(スタッフ:眞鍋)
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2月4日・ 立春を迎えたとはいえ、志津・弓張平地区は2月末までは最高積雪深に向けて雪が降り続きます。 とはいえ、昨晩はウサギがやたらと飛び回った様子が見られ確実に春が近づいているのを感じました。 ネイチャーセンターも第一回目の排雪作業を終え、久し振りに屋根が顔を出しました。これが再び雪に埋もれるのですから志津の雪は計り知れないというものです。(スタッフ:横山)
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2月13日・ 今日は昨日行われた、西川中学校1学年、冬の自然体験学習の様子を紹介します。 春、夏、秋と四季を通して行われた自然体験学習も、今回の冬でいよいよ最後です。例年より積雪量の少ない弓張平ですが、それでも3メートルほどある雪の上をスノーシューで歩きながら、冬の自然に触れました。雪の中でも着実に春の準備をしている植物や、真冬でも元気に走り回るウサギの足跡などを観察しました。中には、目の前を駆けていくウサギを目撃したラッキーな班もありました。子供たちも動物に負けずに雪の上を自由に歩き回り、斜面を思いっきり滑ったあとは、豊富な雪の中で、クラス対抗雪合戦をしました。試合を進めるごとに白熱した戦いとなり、お腹がすくのも忘れて思いっきり遊びました。
最後の振り返りの時間のあと、スタッフへのお礼ということで、子供たちから合唱のプレゼントがありました。すばらしい歌声にスタッフ一同感激し、一年間活動を共にできたことをうれしく思いました。今年で6年目となる西川中学校の自然体験学習ですが、ブナの森での活動が子供たちにとってすばらしい体験となるように、我々スタッフも頑張っていきたいと思います。(スタッフ倉本)
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2月18日・ 今日は昨日(17日)行われた、西川町立西山小学校の6年生17名の、冬の自然体験学習の様子です。前日から降り続いた、ふわふわの新雪が50センチほど積もり、最高の条件の中でのスノーシュー体験となりました。雪が軽いので、ひざ上までのラッセルもさほど苦になりません。先頭を交代しながら、あっというまにハンモック広場に到着しました。ハンモックにゆられたり、スノーシューを脱いでつぼ足体験したり、雪風呂に浸かったりと、雪の中でのびのびと遊びました。最後に合唱を披露してくれました。雪の舞う冬の森に、子どもたちの歌声が響き渡りました。雪の中での活動が物足りないという声が聞かれるほど、元気でたくましい西山の6年生でした。(スタッフ:倉本)
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2月21日・ 今日は19日(木曜)に行われた、西川町立睦合小学校の6年生、10名の自然体験の様子を紹介します。連日の降雪で弓張平の積雪深も順調に増え、今日は股下まで埋もれながらのラッセルとなりました。気温が低いわりには湿った重い雪で、前に進むのが一苦労です。みんなで交代しながら少しずつ前進しました。途中でこの日の特別講師、設楽さんが「輪かんじき」について様々なお話をして下さいました。輪かんじきと比べれば現代のスノーシューは比べ物にならないほど快適に歩くことが出来るということです。そして、恒例となりつつある冬のハンモック体験、合唱、新雪へのダイビング、ツェルト(簡易テント)にくるまっての昼食、斜面を思いっきり駆け降りるなどなど、雪があるからこそ楽しめることをたくさん体験しました。最後に、設楽さんが準備してくださったチューブ滑りのおまけまでついて、時間ぎりぎりまで雪遊びを楽しみ、元気いっぱいの睦合小の6年生でした。(スタッフ:倉本)
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2月23日・ 今日は、22日現在のネイチャーセンターの様子をお伝えします。志津の積雪も4メートルを超えたということで、ネイチャーセンター付近もだいぶ積もっているだろうと思い、確認に行きました。管理車道入り口の竹棒は、雪に埋もれてしまい積雪の確認はできませんでしたが、センター前(風の影響で積雪は少なめ)で約5mだったので、おそらく6メートル近いだろうと推測できます。玄海広場の石碑も、わずかに顔をのぞかせている程度でした。森に足を延ばしてみました。この日の雪質はべた雪で重かったですが、ほとんど沈まないのでとても歩きやすい状態でした。森の中は非常に穏やかで何も問題がないように思われました。しかし、周海沼の湖面が一部見え、石跳川やセンター付近の水路もあちらこちら水の流れが見えていました。2月のこの時期にこのような状態は異常に感じます。ここに雪が積もれば、誤って踏み抜いたりする可能性があり非常に危険と思われます。これから森に入る方は、沢や湿地には十分に注意してください。(スタッフ:倉本)
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2月28日・ 4回目となった「雪旅籠の灯り」が昨夜開幕しました。素晴らしい町並みの中に現われた、それぞれの作品群にファンタジーと暖かさと優しさが表現され、うれしくなる空間が完成しました。  博物園も主体的に参加したNPOエコプロブースは昨年に引き続き、湯殿山信仰で栄えた宿場町を表現。 再生のストーリーが秘められ、姥堂から入って、地蔵様、姥様に合掌し、くぐり胴を経て、丑年ご縁年の丑像に参拝し、スケッチクラブ提供の四季の風景画に癒される演出には、生まれ変われるような雰囲気が醸し出されています。(スタッフ:横山)
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3月01日・ 今日は、2月27日の西川町立水沢小学校の自然体験学習の様子を紹介します。弓張平は水沢小の学区内ということもあり、全校生徒での自然体験学習です。1、2年生はつぼ足で、3年生以上はスノーシューで公園内を歩きました。各学年に分かれて、その学年に応じて案内をしました。その中から6年生の様子をお伝えします。この日はつぼ足でも歩けるくらいの固くしまった雪で、スイスイ軽やかに歩くことができました。動物の足跡や冬芽を観察しながら歩いていき、二次林に入ったところで全員で木登り体験です。お気に入りの木を見つけてどこまで高く登れるか挑戦しました。みんなどんどん高く登っていき、見ているこちらのほうが心配になるくらいでした。その後、同じ年代のブナやスギの幹の太さを比べながら合体ブナまで歩き、降りはもちろん尻すべり!シートを使わなくてもかなりのスピードが出て、悲鳴とも聞こえる歓声が森に響いていました。昨年は吹雪でとても辛かったということでしたが、今回は穏やかな天候でニコニコ顔の子どもたちでした。(スタッフ:倉本)
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3月13日・ 今週に入り、志津から姥沢までの県道の除雪がいよいよ始まりました。この除雪が始まると春が近づいているなと感じます。今日の時点で、半分くらいまで除雪が進んでいるようにみえました。除雪された雪の壁を見ると、やはりこの冬は雪が少なかったことを実感します。ネイチャーセンターの管理車道入口で、雪の壁は3、5メートルほどでした。センターがオープンする頃にはどれだけ低くなっているのでしょうね? その他にも、春を感じるものを見つけました。サワグルミの冬芽が開きかけ、枝先に白いつぼみがついているように見えました。近づいてみてみると、冬芽を被っていた芽燐(がりん)がはがれ、中から葉っぱが顔を出していました。まだまだ雪はたくさん残っているとはいえ、月山にも確実に春が訪れています。(スタッフ:倉本)
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3月20日・ 昨日、木曜のスケッチクラブ例会報告です。昨日から気温が高く、この日も吹いてくる風があたたかく、歩くとザクザクというザラメ雪で、3月とは思えない陽気の月山でした。今日のスケッチクラブは参加者8名、志津スキー場の少し上まで足を延ばしました。黄砂の影響でだいぶ山が汚れていましたが、湯殿山、姥ヶ岳、月山が一望出来る場所でゆったりとスケッチしました。いつもとは違った角度から見る三山は、スケールが大きく迫力がありました。この風景を見ただけでこの日は満足というメンバーもいたくらいでした。途中、幹の中間部でポッキリ折れてしまったブナがありました。サルノコシカケがたくさん生え、寿命だったのでしょうが、それでも太いブナが折れてしまった姿を見ると心が痛みました。天命をまっとうしたこのブナの姿も絵に残しておくことに・・・。ブナのことを思いながら真剣にスケッチしました。また、枝一面にコブのついたブナも見つけました。おそらく何か病気になのかもしれませんが、まるでだんごの木のようでした。日に日に春らしくなるブナの森、ちょっとした変化も見逃さないのがスケッチクラブです。この日も様々な発見に楽しい一日となりました。。(スタッフ:倉本) [PHOTO]New!!