2007年の歳時記です・園内の季節のうつろいを感じて下さい。
2007年4月2日・志津温泉、五色沼から姥沢駐車場までの約5.5キロの月山道路は3月一杯で除雪が完了しました。それに続き月山道路からネイチャーセンターまでの連絡道路も4月2日にロータリー車が入り除雪が行われました。豪快に雪を飛ばすロータリーの轟音もこの時ばかりは春を呼ぶ風の音にも聞こえます。
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2007年4月26日・ネイチャーセンターの雪囲いは全て撤去されました。5月1日のオープンを待つばかりです。窓の外の玄海広場はまだ雪の山です。
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2007年4月28日・ネイチャーセンター西側、石跳川沿いの「ヤマネコヤナギ(バッコヤナギ)」が開花しました。雪どけが早く、西側の石跳川の沢は開いています。
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2007年5月1日・周海沼の湖面は今年もコバルトブルーに・・、好天であればもっと輝くはず・・。森の中ではブナの雄花のふくらみもしっかり見えてきました。
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2007年5月4日・ヤドリギが可愛い花を咲かせています。園内でヤドリギとブナの花を探してみませんか。樹木の花は地味で目立たないものが多いのでヤドリギの花やブナの花を見たことのある人は少ないのではないでしょうか。
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2007年5月8日・ブナの芽吹きは志津温泉まで上がってきました。博物園の森も間もなく芽吹きが始まりそうです。ネイチャーセンター西側、石跳川沿いのブナに雄花が確認できました。
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2007年5月14日・残雪の上に、芽鱗が目立つようになりブナ林広場や周海沼などでも芽吹き始めました。自然博物園、2007年のブナ芽吹き宣言です。原生林ではブナの花の付いた枝の落下が散見され、気になりますが原因が判らず不思議な現象です。
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2007年5月16日・14日の芽吹き宣言をきっかけに月山山麓の森は堰をきったように活気付いてきました。花々の開花、春もみじの風景に誘われて、雪上藻類が目立ってきました。オオカメノキも開花し、周海沼のブナも芽吹きが始まりました。
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2007年5月19日・今年の雪融けは早く、ミズナラ広場前の夏道がすっかり現れています。夏道端や展望台付近ではタムシバやムラサキヤシオなどが咲きはじめました。元玄海の沢も水量が多く、渡渉は夏道の木橋を利用して下さい。スノーブリッジは危険です。
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2007年5月18日・日に日にブナの新緑が萌え始めていきます。ネイチャーセンター周辺はイタヤカエデなどの春紅葉も彩りを添えています。西側の湿地ではミズバショウも咲き始めました。
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2007年5月22日・昨日、今日と好天が続き博物園のブナ林は「萌える新緑」の見ごろ向えました。新緑に加え、ブナの芽鱗の「雪もみじ」、イタヤカエデの「春もみじ」・・と、この時期ならではの癒しの空間が広がっています。元玄海の沢もほとんど開いています。トレイルの湧水の木道も開き始め、残雪が崩れやすくなっています。足元にご注意下さい。
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2007年5月27日・好天の後の雨、気温も平年以下に下がり肌寒い一日でしたが、雨天時のブナの新緑は緑がいっそう鮮やかに映え、筆舌しがたい美しさです。昨日の好天に誘われたのでしょうか・・残雪の上には「オトシブミ」の揺籃が早くも落とされていました。森の中はタムシバ、カエデ、ムラサキヤシオなどの花々が新緑にコントラストを添えています。つい先頃まで残雪があった月山の湧水も完全に木道が現れています。トレイルの石跳川案内板からミズナラ広場に上がるジグザクの坂も夏道を通れるようになりました。
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2007年6月2日・雪融けが一気に進んでいます。玄海広場には一部案内板も設置されました。玄海広場のミネザクラが開花し始めました。昨年よりも2週間早い開花です。また、エゾエンゴサクも定点で開花が確認されました。散策に絶好の季節になりました。6月のブナの森を是非堪能して下さい。
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2007年6月3日・ 連日の好天に誘われたのか、「エゾハルゼミ」が鳴きだしました。昨年より2日ほど遅い初鳴きです。6月に入り、野鳥のさえずりやセミの鳴き声・・・新緑も深みを増し、博物園の森も春から初夏へと移りつつあるのでしょうか。融雪も一段と進み、残雪のあった月山の湧水からブナ広場の斜面もトレイルの夏道が現れています。トレイルが残雪に隠れているのはブナ広場から周海沼までのほんの一部だけになりました。
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2007年6月4日・「博物園だより」P8の筆者、沢 和浩氏の案内で園内のヤシャビシャクを観察できました。絶滅危惧種のヤシャビシャクが見られる自然はブナの原生林が健全に保たれているということです。改めて園内の森に誇りを感じました。
 ヤシャビシャクを探すコツはブナの芽吹き前でヤシャビシャクが展葉する4月下旬〜5月上旬です。今が開花期です。
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2007年6月8日・山形県立自然博物園の玄関、玄海広場はすっかりと初夏の風景になってきました。満開のミネザクラ、純白のオオカメノキが輝いています。ブナの森も日に日ににぎやかになり、音の世界も楽しめます。キビタキやコルリ、ウグイスなど野鳥のさえずりに加え、陽が射すと一斉に始まるエゾハルゼミの大合唱が森を圧倒し始めました。今日はアカショウビンの鳴き声も確認できました。また、昆虫達の季節も到来、揺籃は見かけても姿は見られなかったオトシブミも、ブナの低木に降りてきて盛んに揺籃を巻いています。 柔らかいブナの葉を利用するゴマダラオトシブミ・・観察のチャンスです。
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2007年6月10日・8日に紹介したセンター前の最後の残雪ドームは完全に落下しました。
 6月の風物詩、色々ありますが来園する子供達の人気の的は生き物の生態です。数日前の豪雨でクロサンショウウオ、トウホクサンショウウオの卵塊は流されていましたが、今日、新たにクロサン池には卵塊とクロサンショウウオの姿が見られました。
 森では、羽化のために地中から這い出してきたエゾハルゼミの幼虫や羽化後の成虫が多く見られます。
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2007年6月13日・保全作業で伐採したブナの近くにある、博物園の名物樹、大トチ(樹齢400年)が見事な花を咲かせています。生命力の神秘を実感します。ほかにも、ムラサキヤシオ、サンカヨウ、オオカメノキなど園名は花盛りです。
 植物に加え、様々な生き物が生息しており、身近な所で思いがけない珍しい昆虫に出会えるのも県立自然博物園の魅力です。好天が続き、気温が上がりオトシブミが低木に揺籃を作りはじめました。気を付けて観察するとセンター前のブナやイタドリの葉で珍しいオトシブミを観察できます。(11日撮影)
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2007年6月16日・昨年はブナの凶作にとどまらずあらゆる実が不作の年でした。今年はブナが多少なりとも実を付けそうですし、タムシバもヤマブドウもツリバナも豊富に実を付けそうです。竹の子採りの季節になりました。名人曰く「コブシの花が咲いてるようではまだ早いな」、「ガザの花(タニウツギのこと)が咲いたのでそろそろ」・・。
 タケノコ採りの駐車問題が切実です。山形県立自然博物園でも管理車道への駐車はやむなしとして対応していますが、心無い一部の方がいるために様々な工夫をせざるをえません。最低のルールは守る事にご協力下さい。
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2007年6月19日・元玄海の湿地帯はミズバショウが終わりつつあり奥の方からミツガシワが咲き始めました。ミツガシワは氷河期の遺存種とも言われ、極めて小さな規模ではありますが、ここは大昔から安定して保全されてきた環境であることを示しています。まもなく一面ミツガシワの群落が楽しめます。
 ネイチャートレイル沿いにおいしい「春わかい」(ヒラタケ)の群生があります。以前はすぐに採られてしまいましたが、採集禁止のルールが浸透してきたのか、多くの方々に見てもらうことができました。園内はブナの森のほんの一部に過ぎません。採集しないで楽しむエリアとして且つ、ブナの森の役割を伝える施設として大切にしていきたいと思います。これからも多くの来園者の方々に楽しんでいただけるようご協力お願い致します。
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2007年6月20日・トレイル周辺に咲く花々も次第に変わってきています。先週、湧水付近で咲いていたサンカヨウはもう終わり、周海沼上の湿地で咲き始めていました。自然博物園の森では標高差や残雪の消え方で微妙に開花時期が違い、観察も様々に楽しめます。センター周辺のブナの低木の葉で揺籃を巻いていたゴマダラオトシブミは柔らかい葉を求めて移動したようで見られなくなりました。変わって、サワグルミの葉に、赤い背中が特徴の「オトシブミ」が盛んに揺籃を巻いています。
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2007年6月22日・中山町の中山保育園の年長さん60名が来園。直前までの雨が止み、準備していた館内プログラムを変更し、ブナの森探検をしました。スタッフの早坂氏曰く「子どもがこんなにも可愛いのは理由があるのだろう」。スタッフの高橋氏曰く「鳥のヒナが大きな口を開けて待っているので親鳥は餌を運ばざるを得ないのだろう」と。生の営みに対するインタープリターの会話はとてもおもしろい。とにかく園児は可愛かった。
 森の中はというと、ようやくモリアオガエルが梅雨入りを待ちかねたように現れ、エゾハルゼミが子どもたちの歓声に応えるように、大合唱を演じてくれました。今月から始まった「いにしえの道を辿る」活動は着々と進行し、玄海広場の遺跡を覆い隠す草花の下払いも始まりました。
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2007年6月23日・入梅したばかりなのに早くも快晴日和。ギンリョウソウは入梅を心待ちにして、充分な雨さえ降ればそこらじゅうに姿を見せるべく準備中です。6月に入っても順調に予約があり、案内活動に忙しい毎日ですがその合い間をぬって「いにしえの道を辿る」コースの整備に励んでいます。本日はスタッフの阿部氏を先頭に長澤氏、倉本氏の応援でかなり進みました。7/15までに、玄海〜元玄海コースを「いにしえの道」として復活させたいと思います。石碑に興味のある方は是非一緒に作業してみませんか。
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2007年6月26日・今日の博物園は朝からあいにくの雨模様でしたが、森の中はしっとりと落ち着いた雰囲気に包まれました。この雨を待ち焦がれていたかのようにあちらこちらからギンリョウソウが顔を出し始めました。透明な肌からチラッと覗かせる「黒い瞳」が実にセクシーです。また、ブナの森ではダイセンヤマナメクジとエゾハルゼミが見られました。肩を寄せ合い、二人きりで秘密の話でもしているのでしょうか??
 なお、7/22に特別開催の月山学講座ではギンリョウソウの不思議に迫ります。
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2007年6月28日・梅雨入したのに晴れ間が続いており、7/15(日曜日)予定の「いにしえの道を辿る」イベントに向けた準備がすすんでいます。玄海広場の石碑群に引き続き、今回は元玄海にある、雪のために倒れた石碑を起こすための段取りをしました。昨年は4人がかりでも途中までしか起こせなかったのに、志津地区から借りたチェーンブロックを試してみたら予想以上に動かすことができ、保全活動への自信を持ちました。皆さんも是非、一緒に体験してみませんか。
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2007年6月30日・昨日からの激しい雨も小休止、平野部は曇り空だったようですが、ここ博物園の森は一日中、小雨や霧雨が断続したはっきりしない一日でした。  そんな中、センター前の玄海広場や月山の湧水のサワグルミに巻き付いた「つるあじさい」がいま綺麗な花を咲かせています。昨日の激しい雨で激流と化していた石跳川も今日は濁りもとれ清流に戻っていました。
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2007年7月6日・今週の博物園の森は雨続きでしたが、4日〜6日は予定通り環境保全活動を実施、延べ28名の参加で目標どおり完了できました。皆様のご協力に感謝申し上げます。特に地元の中学生3名が、3日間とも職業体験として参加してくれたのは大きな戦力になり、且つ保全活動の意味を深める議論が徹底できました。改めて3名の生徒の皆さんに感謝したいと思います。今回は「クロサン通り」の保全ということで、湿地環境に配慮した遊歩道のあり方を検討し、輪切りを敷く手法ではなく、木歩道にして湿地への負担を最小限に抑える工夫をしました。
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2007年7月10日・リュウキンカ広場の定点観察第2弾です。1弾は6/3で、リュウキンカとミズバショウの花が見事でしたが、今回は入梅、そして夏至を経て、大柄な草本類が繁茂し、同じポイントとは思えない風景になりました。定点観察がこんなにも湿地帯の多様性を教えてくれるとは驚きです。大柄な草本とは、ミヤマシシウド、ハンゴンソウ、オニシモツケ、ヤグルマソウ、オタカラコウなどですが、現在の開花はヤグルマソウのみ。これからが夏の植物花盛りです。でも、あれほどに春の花を見る人でにぎわったリュウキンカ広場ですが、夏の花を見に来る人はほとんどいません。是非、リュウキンカ広場の多様性を通年で見ていただきたいと思います。
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2007年7月13日・ネイチャーセンターの改修工事が始まりました。 改修の中身が外壁の塗装、屋根のトタン改修なので、建物全体が足場とシートで覆われ休業している雰囲気ですが、いつもの通り、業務には支障なくオープンしていますので夏のブナの森を楽しみましょう。
 遊歩道保全活動が順調に進み「クロサン通り」がほぼ予定通り終了しました。皆様のご協力に感謝申し上げます。湧水地に「愛の架け橋」が登場保全活動の成果と思っていますが、スタッフから様々なアイデアが出されています。その一つが「架け橋」です。この橋によって「湧水地」がとても使いやすく利用価値が高まったと思います。是非、体験してみて下さい。皆様からのご感想をお待ちします。
 夏の花が目立ってきました。ヤグルマソウに引き続き、オニシモツケが開花してきました。これからエゾアジサイ、オタカラコウ、ミヤマシシウドなど夏らしい大柄な花を楽しみましょう。
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2007年7月16日・ブナの森は「梅雨の森真っ盛り」です。梅雨の時期はカビの活動最盛期なのです。ギンリョウソウがあちらこちらに珍しくもなくなり、今度は冬虫夏草があちらこちらに。そして、ショウキランもポツリポツリと。いずれもカビが関わっているのです。森の成長にカビはとても大切な役割を果たしているらしく、今の時期が最も植物が繁茂するのです。そのしくみ、カビの役割については7/22(日曜日)午後3時〜山形大学の横山先生が特別講義(詳細はこちら)してくれます。是非参加して下さい。
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2007年7月23日・梅雨明け宣言はまだですが、久しぶりに晴れ上がりました。博物園のブナの森は梅雨の雨を存分に含み、うっそうと葉を茂らせ、樹間から覗く青空に白い雲・・まさに夏の森です。森を制していたエゾハルゼミの鳴き声もそろそろ終わり、聞こえるのは樹上を渡る風の音、ときおり聞こえる野鳥のさえずり・・・。森は一時期静かになっています。地上に這い出したコエゾゼミの幼虫の姿も見られ、初鳴きも確認されました。間もなく、鳴き声が楽しめそうです。
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2007年7月26日・いよいよ夏本番。ブナの森の夏といえば園内ではコエゾゼミです。エゾハルゼミが姿を消し、これからはコエゾゼミの出番です。鳴き声はまだ目立ちませんが、姿がそこここで見られます。羽化の過程で見せる「イナバウアー」を現場を見てみませんか。サンカヨウの実の鮮やかなブルーも輝いてきました。涼しい夏のブナ林を体験しましょう。
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2007年7月27日・夏の風物詩「エゾアジサイ」のブルーが目立ち始めました。園内には3種のアジサイ属が自生しています。ツルアジサイの花は終わりましたが、ノリウツギも盛りなので、アジサイのブルーと白の飾り花を是非見てください。これらは花が終わっても飾り花は落ちないのでドライフラワーとしてリースなどにも使われます。イワガラミの花も目立ってきましたが、これは同じユキノシタ科でもイワガラミ属になります。
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2007年7月31日・石跳川コースの下草刈りを実施しました。このコースは玄海口と呼ばれ、湯殿山奥の院につながり、昭和30年代まで、装束場周辺だけでも四軒の小屋がありました。他に春木戸や一の木戸もあって湯殿山信仰参りで大いに栄えたコースです。園の境界は一の木戸から500mほど登った地点までで、ネイチャーセンターからは4キロ弱あり、あと1キロ弱で装束場に至ります。園内の最北端まで行くと、石跳川の沢や湯殿山の斜面に残る雪渓の影響か、コバイケイソウやイワカガミ、アカモノなど本来、亜高山帯に咲く花が咲き乱れ、クマの糞もあり、改めて園内の広さが実感できます。このコースは自然石が敷き詰められ、湯殿山信仰の歴史が偲ばれるとても味わい深い雰囲気があります。一度歩いてみて下さい。詳細コースは園内散策マップを参照して下さい。
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2007年8月3日・ネイチャーセンターの改修工事もいよいよ終盤を迎えています。夏休み中なのにご迷惑をおかけしていますが、館内利用や園内案内は平常どおりです。工事は8月10日には終了する予定です。お盆休みには生まれ変わったセンターに是非おいで下さい。園内も夏本番を迎え、湧き水の冷たさとブナの森の涼しさがかけがえのない貴重な宝であることを改めて実感できます。真夏の魅力の一つに石跳川本流及び数々の支流・渓流の風景があります。中でも馬立沢周辺の風景と水の冷たさは絶品です。ネイチャーセンターから石跳川コースで1.5km地点。装束場につながるルートで、昔から湯殿山信仰で栄えたコースです。
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2007年8月8日・湿地帯・リュウキンカ広場の定点観察第三弾です。前のは7月10日発の歳時記をご覧下さい。夏の花の盛りはアマニュウとドクゼリです。そして、いよいよオタカラコウが目立ち始めました。ところで、このオタカラコウの花の咲き方がおもしろい、と地元旅館のご主人が教えてくれました。オタカラコウの大きなつぼみは全て曲がっているのですが、開花とともに首が持ち上がり、完全に開花するときには真っ直ぐに立ちあがります。
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2007年8月15日・またまた昨日のK親子に同行しました。今日は木登りに挑戦。2mを目標に苦戦していました。始めこそ慎重でありましたが、たちまちコツを覚え、30分もしないうちに2mを突破しました。ゾンデ棒で高さを示すあたりはさすがです。K親子は沢遊びが好きらしく、昨日に続き、水着に着替えて石跳川に向いました。沢では今、さかんにカワゲラの抜け殻が見られます。
 園内では夏の花、オカトラノオが目立ちます。これに似たヌマトラノオはオタカラコウのように開花するときは尾を立てますが、オカトラノオは開花しても尾は折れています。
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2007年8月19日・今日の森は、ほのかな、かぐわしい香りに満ちたブナの森でした。17日の雨で、森は一気に涼しくなり、この微妙な環境の変化に対応し、キノコが目立ち、リョウブの香りが充満し、風が心地よく、フリーの野外利用者が増えてきました。常に、微妙な環境の変化に対応しようとする自然には驚かされます。
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2007年8月26日・春から初夏に花を咲かせていた木々が実を実らせ始めています。今年は森の恵みが期待されます。昨年のブナの森は、ブナの凶作はもとより、あらゆるものが不作で、木の実に頼る動物達(クマやネズミなど)にとっては受難の年でした。そのためにクマは森を抜け出し、里に行かざるを得ず、結果、山形県内だけでも600頭以上が犠牲になりました。あらためて、ブナの森の食糧生産力の大きさを痛感しました。
 今年は、本来の森の恵みの豊かさが戻ってきたように思われます。ブナは豊作とは言えませんが、並の中位にはなるでしょう。クマは今頃、ブナの実を食べながらやぐらを造っていると思います。
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2007年8月29日・前回に引き続いて「ブナの森は恵みの森」第二弾です。
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2007年8月30日・6月3日のイベント「湿地巡り」以降、湿地の定点観察、第四弾のリュウキンカ広場の風景です。写真は8月26日の風景です。水量は依然として豊富で水温は8.3度。ハンゴンソウが目立ったので紹介しますが、反魂(ハンゴン)は葉っぱの付き方がうらめしそうだということで、ゆうれい花と呼ぶ人もいます。ブナの森は恵みの森は第三弾、タムシバ、オオカメノキ、ミズキです。
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2007年9月8日・台風が去った後、気になるのは森の樹木の枝折れです。天候も回復したので、早速トレイルを歩いてみましたが、石跳川の水量などはさして多くはなく、すでに澄んだキレイな水に戻っていました。今回の台風は蔵王山系に被害が多く、月山山系はあまり目立たなかったようです。とは言え、かなりの風が吹いたようでトレイルには葉の付いた枝が散乱していました。成熟前の木の実がかなり散乱しており、残念に思いますが、改めて今年の山の実りを実感しました。
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2007年9月14日・ネイチャーセンターのお色直し、ようやくお披露目です。本日、足場が取れ、二ヶ月強ぶりで、さっぱりとして全体を見せてくれました。外観の改装に呼応して、館内の改革も着実に進めているところなのでご期待下さい。ギャラリー「姥ヶ岳」では、好評だった『オトシブミ写真展』に替わって、早坂俊均氏の写真展を開催しています。明後日、16日開催の「ブナの森への感謝の集い」のオープニングプログラムとして午前11時からのスライドショーでは早坂氏本人によるトークショーもあります。
 さて、森の中では様々な実が育っていますが、樹上のブナの実を肉眼で見るのは非常に難しいことですが台風が落とした枝先にはびっしりと実が付いており、今年はクマがやぐらを創るほどに実っていることでしょう。
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2007年9月21日・「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますが‥‥暑くても、ブナの森は着実に秋に向けての準備が進んでいます。朝晩の冷えが弱いので劇的な変化は無く、インパクトに欠けますがそれだけに秋を発見すると、普段何気ないものでも、得した気分になるものです。今回の驚きは「ツキヨタケ」です。ツキヨタケは食べられないので、あまり話題にはならないのですが、あまりの見事さ故に、「本当にツキヨタケなの?」とスタッフ間でも話になるほどです。「ツキヨタケが豊作なら他のキノコも期待できる」らしいので今年は楽しみです。さあ、秋本番前の森に触れて、森の多様性を知ろう。
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2007年9月24日・まだまだ朝晩の寒さが弱いのですが、部分的に色付きが始まりその先発隊は例年通り、ヤマウルシ、ヤマブドウ、オオカメノキです。実は相変わらず豊富な年で、今回はサワグルミを紹介します。オニグルミと比較して見て下さい。サワグルミを基準にすると、鬼、否オニの意味が解るでしょう。元玄海の沢は今、最も水量が少なく、サンショウウオにとって厳しい状況だと思いますが、水温は11度をキープし、完全に枯れることがないので、意外に生き物は豊富です。今回はトビゲラの仲間の集団と卵を紹介します。
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2007年10月4日・月山の紅葉が牛首下1700mまで下りてきたようですが、ブナの森もここ2〜3日で急速にアクセントが見られるようになりました。圧巻は、オクノサワフタギの実が瑠璃色に輝いてきたこと。そして今年は色の美しさに加えて、これまでになく実のりが多いのでインパクトがあります。そして、瑠璃色の次はクロモジの実の黒が何とも言えず、深みを感じます。更には、やはり赤です。赤はいろいろあって迷います。マユミの赤、オオカメノキの赤、ウルシの赤、いずれも自然のなせる技。さあ、紅葉は始まりますよ。
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2007年10月6日・紅葉の季節到来とともに、毎日の野外案内利用者が増えてきました。今日、10月6日、午前9時30分の参加者は大人7名でした。今回は、秋の実の色をどのように表現したらいいかをテーマにしてみました。参考にしたのは、大日本インキ化学工業(株)発行の「日本の伝統色」。皆さんも是非、自然界の色をどのように表現しているか、教えてください。秋の味覚を求めて、園内を散策する人がまだいるようです。くれぐれも園内は、採集禁止をルールにして、多くの方に自然の状態を観察してもらい、ブナの森の豊かさを伝えるための施設です。ご協力お願いします。
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2007年10月10日・紅葉前線はリフトの所まで来ました。園内の森は急に寒くなったと思ったら、キハダやホオノキが黄色く色づき、ツタウルシの赤が目立ち始め、オオカメノキのグラデーション模様が目を引きます。まだまだサワフタギの独特の、瑠璃色の大量の実が輝き続け、めったにない、一期一会の紅葉の風景がありますのでおいで下さい。
 ネイチャーセンター入口に、最近「ハザードマップ」と「山形県立自然博物園の利用」について説明している看板が設置されたので、是非、ご覧下さい。園内を利用するにあたってのルールなどがバラバラな看板で、その都度の都合で設置してきたために、トータルな趣旨が解りにくくなっていました。最近、園内の一部で、オオスズメバチが、特定のミズナラの木に樹液を吸いに頻繁に訪れ、とても危険な状況があります。そのために一部を「通行禁止」にしましたが、そういうときこそ「ハザードマップ」は有効だと思います。 園内を訪れる方は、必ずネイチャーセンターに立ち寄り、あるいは「ハザードマップ」を見てから森に入るようにお願いします。
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2007年10月14日・紅葉前線は標高1300mあたりを足早に進んでいるようです。13日には、博物園のスタッフが月山山頂で初雪を踏み締めてきました。積雪は2〜3cmだということです。例年通り、雪は来ています。
 さて、ブナの森はもだし(ナラタケ)が目立ってきたので、来園者に森の豊かさを伝える格好の材料となってきましたが、残念ながら、ツノハシバミ、ヤマブドウ、サルナシなどはもとより、ナメコ、ナラタケなどのキノコは翌日には見事にきれいに無くなってしまいます。
 再度、来園者の方々に、山形県立自然博物園の趣旨を理解いただき、採取禁止のルールの意味をお知らせしたいと思い、立て札を現場に付けることにしました。
 立て札の文面は「○○は観察中です。自然博物園は、森の恵みを感じてもらい体験を通して、森の仕組みを学ぶための自然体験観察施設です。採取禁止のご協力をお願いします」。園内はわずか245haのエリアです。国立公園の特別地域の第三種エリアなので、山菜もキノコも一定のルールの下で、採集が可能です。だとしたら、何故に採取を禁止しているのでしょうか。それは、自然博物園は、子供たちをインタープリターが森に案内し、ブナの森の豊かさと森の役割を、体験を通して伝える活動を展開しています。その数は半年間で6000名を超えています。森は水を貯えてくれるということを、理屈ではなく、湧き水に触れ、飲んでみることで納得し、感動するのです。
 森は食糧生産の宝庫であることを、ブナの実やヤマブドウの実を見て、採って、味わって納得し、感動することで、その大切さに気付くのです。
 そのためには、花でも実でもキノコでも湧き水でも、豊かな状態、自然の状態を保つことで可能となるのです。最近は、前日の場所で、今日の子供たちに見せようと連れていくと、すっかりと誰かに採られてしまっていることが少なくなく、体験ができなくなっているのです。
 私達は、自然保護のために採集禁止を叫んでいるのではありません。採集できる所は近くにいくらでもあるのです。この245haに関しては、上記の趣旨を理解されてたわわに実るブナの森を見せて下さい。お願いします。
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2007年10月17日・ここ二日間で園内は急速に色付き始めました。玄海広場周辺のサワグルミや尾根のミズナラが黄色くなりブナも随分と黄色が目立ち始め、森全体が秋の装いとなりました
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2007年10月22日・園内は紅葉のピークを一気に迎えました。今年の紅葉は、一週間程度の遅れで経過していましたが、ここにきて加速したかに見えます。月山は鳥海山と同じく、10/13に初冠雪となりましたが(記録上は10/22)その後は紅葉前線のペースが上がったように感じています。今年のブナの実は凶作と思われ、場所によっては多少落ちていますがどんぐりやトチの実の豊作に比べると、労多くして‥という感じです。従って、下を見ることなく、ブナの森の黄葉にじっくりと浸ることができますよ。
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2007年10月27日・山形県立自然博物園は今月末で閉館します。シーズン最後の土曜日はあいにくの雨でしたが、原生林の黄葉は燃えるような鮮やかさでした。明日は最後の日曜日です。今年の紅葉は遅れているのでまだ楽しめます。是非、おいで下さい。
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2007年10月31日・本日(10/31)で山形県立自然博物園の日常案内は終了しました。おかげさまで昨年以上のご利用をいただき、ブナの森を案内するインタープリターの役割を改めて実感しています。ほんとうにありがとうございました。これからは、しばらくの間、落葉後の森の魅力をネット上でお伝えしたいと思っています。なお11月3日には「落葉後の輝きに触れる」(詳細はこちら)イベントを予定しています。まだ定員に余裕がありますので、是非ご参加下さい。今日は、落葉後の輝きを写真で紹介します。しばらくの間、引越しの準備に入ります。冬期事務所の「パークプラザ」での常駐は11月14日からになる予定です。
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2007年11月04日・すっかりと落葉した園内のブナの原生林を散策すると、新しい発見を期待できる魅力を感じます。それは豊かな葉に覆われて見えなかったものが見えてくる事・・・。溢れんばかりの春の新緑、迫力に圧倒される夏の盛緑、そして錦に輝く秋の黄緑と夫々に癒しや感動を与えてくれたブナの森・・・、落葉した今は樹間から秋の陽光が差し込み森全体が明るくなってきました。そんななかで見つけた森の魅力をフォトスケッチしてみました。
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2007年11月07日・今日は河北町立溝延小4年生の体験学習の様子をお伝えします。この学年は今年2回目。1回目は6月1日、残雪の森を歩き、森と水の関係をテーマに、雪解け水と湧水の違いを体験しました。そして次回は是非「ブナの実を食べたい」ということで、本日を迎えました。2回目で、顔見知りなので、リラックスした雰囲気で始めることができました。11月なのに、少し歩いただけで、サワグルミの実を食べたり、サルナシの実を食べたりして、汗ばむのでした。(サルナシの実は手が届かないので、採るには知恵が必要で、汗ばむのです)
 さて、今年のブナの実は凶作ではありますが、そこは2回目の子供たち・・、先生も意欲的なので、すぐにコツを覚え、かなりの数を拾うことができました。 森で弁当開きをしてから、木登り体験。11月の森は低木が目立ち、樹形が見えるので木登りには最適だと気付きました。 今回の学習テーマは、前回の続きで、雨や雪解け水が森を通して湧水になっていくことを伝えること。このテーマに関しても11月は最適でした。葉っぱが落ちて森全体が見えるということは、とても大きなメリットなのです。周海沼の水がどこから出ていって、どこに再び出てくるか、こんなプロセスは普段は藪の中なのですが、今はとても見えやすいのです。様々な自然のプロセスを経ているので、雨や雪解け水がろ過されて、適度な水温となり、安全安心な自然水となることを11月の森は教えてくれました。 。
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2007年11月13日・まもなく園内にも雪が降りてくる時期、ネイチャーセンターの雪囲いも完了し、積雪チェック用の竹のポールも取り付けました。また県道に昨日、通行止めのバリケードが置かれました。昨年は、バリケードの場所が五色沼上でしたが、今年は今のところ、ネイチャーセンター管理車道入り口より上になったので、雪が降るまでは、センターまで車で行けます。
 今年は初雪が遅れていて、カラマツの葉もかなり付いている状態です。車が通れるので、園内の利用者が11月になっても途切れません。今日も昨日も、月山志津温泉に泊まって園内を歩きたい、との予約があり、県外の利用者はさほど11月の月山山麓に対して抵抗がないことが解ります。
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2007年11月15日・さて、以下11月の森の魅力をコメントします。昨日は快晴、今日は時雨。この雨がいつ雪になるか話題になっている月山地区です。昨日は山頂がきれいに見え、予想以上に上部には雪が積もっていることが解りました。森は、着実にシンプルな風景となりつつありますが、雨の日は、11月というのに緑が鮮やかです。緑三要素はチシマザサとシダ植物と苔です。場所によっては低木化した常緑樹のヒメモチ、ヒメアオキ、ハイイヌガヤなどが目立ちますが、園内の魅力はやはりブナ・チシマザサ群落。ベースは大量の落ち葉で褐色化したキャンバスに笹とブナ根を覆う苔の緑が映え、幹肌が青銅色となり、湿潤な林床にはシダが群れやはり11月の森は独特です。是非、11月の森を表現してみて下さい。
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2007年11月16日・本日(11/16)、志津・弓張平地区に初雪が降りました。昨年は11/12なので4日遅れですが、最近としては例年並です。初雪は11月の楽しみの一つですが、期待以上、予想以上にブナの森は輝いていました。
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2007年11月25日・16日の初雪いらい、久しぶりの快晴でした。雲ひとつない好天に誘われ、森を歩いてみました。昨日は気温が上がり、さらに雨が降ったためか積雪は少し減ったようです。例年、志津温泉の五色沼上にあった車両規制線は現在のところ、ネイチャーセンター入り口にあり除雪も行われています。さらに、センターまでの管理車道も除雪されていました。厳冬期にはこのあたりでも積雪は4メートルに達するためいつまで確保されるのかは不明です。今日現在の積雪は、玄海広場付近は約70センチ程、月山の湧水から上のブナの原生林は約1メートルほどの積雪です。しかし、園内の沢は全ては開いており、夏道のトレイル以外は沢を渡れず、木の橋は細いため危険です。積雪があるとはいえ、雪も湿気を含み重く、スノーシューでもかなりぬかる状態です。森は低木やササの緑が雪に覆われ、冬季独特の景観に変わっていました。
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2007年11月30日・ 昨日からの好天続きで、日中の気温は上がり、積雪は50cmに減りました。しかし放射冷却の影響か朝の気温はぐっと下がり、この間で随分と雪が締まり、昨日と今日は堅雪となりとても歩きやすい森でした。一旦は積雪が1メートルを超えたので、シダ類とササは完全に雪の中に埋れ、緑はほぼ無くなり、冬の風景となりました。 冬の風景といえば、動物達の足跡、ヤドリギの実が定番ですが、今日の森も期待以上の風物詩がありました。 いよいよ明日から12月。パークプラザも本格的な冬活動に入りますのでみなさん、是非冬期活動の拠点にお越し下さい。 なお、現在、ネイチャーセンター周辺では地質調査が行われており、冬季の車両規制は26日以降、例年どおり志津温泉、五色沼上に戻されています。
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2007年12月15日・ 弓張平公園パークプラザを拠点にすすめられる月山地区の冬期活動がいよいよ始まりました。今年の第一号は、弓張平地区に事務所を構えるNPO法人エコプロが企画したスノーシュートレッキング事業でした。今日を皮切りに毎週土日、エコプロ主催のプログラムが予定されています。博物園としても微力ながら、月山地区の活性化を担うべく弓張平公園の利用拡大に努めていきたいと思っています。そのための、活動の一つが、博物園冬期体験活動のホームグランドとなる弓張平公園内ブナの森の魅力を伝えることです。これから始まる冬期の、弓張平公園の、ブナの二次林の、ドラマをリアルにリポートしますのでご期待下さい。
 第一回のリポートはコースの概略を紹介します。通常のおすすめは、「夫婦ブナ回り2キロコース」です。六十里越街道の弓張茶屋から分かれ、風のおだやかな二次林(写真1)に入り、二次林の遷移を見ながら高台に上がり、このコースのシンボルツリーとなっている夫婦ブナ(写真2.3)に触れ、後半はラッセルを楽しみながらパークプラザを目指す2キロのコースです。途中、動物の足跡をみたり、キハダの実やヤドリギの実を食したり、様々な体験ができます。弓張平公園には他にもシンボルツリーがたくさんありますが、今回はもう一つ「あがりこブナ」(写真4)を紹介します。多くの人が撮影しスケッチする程に、惹きつける存在となっています。是非おいで下さい。
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2007年12月22日・ 12月も下旬に入り山麓は雪降りの日が多く、山麓の森もようやく積雪が増え平年並みになり、スノートレッキングの条件が整ってきたようです。今日現在、ネイチャーセンター管理車道入口の積雪は2メートルに達していましたが、石跳川の沢はまだ開いている部分も多く、沢近辺のトレッキングには注意が必要です。博物園内のトレイル近辺を歩いてみましたが、標識は全て雪に埋まり確認は出来なくなっていますが元玄海の沢も、月山の湧水も開いていました。博物園周辺では、地質調査が続いており、管理車道入口まで除雪されていますが、一般車両は五色沼までに制限されています。
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2008年1月1日・ 新年おめでとうございます。
 今年の干支を求めて、2007年最後を締めるブナの森散策をしてきましたが、残念ながら降り続く大雪のために足跡も無く、ネズミに出会うことはできませんでした。
 しかし、地元ペンションに3泊の予定で、月山にひかれて来られた滋賀県のNさんは、大晦日の月山の風景に感動されていました。今回は志津キャンプ場を散策する地元旅館の企画に同行したリポートです。月山は本格的な冬となりました。2008年もよろしくお願いします。
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2008年1月13日・ 今週末の弓張平公園は心奪われる風景でした。今年からスタートした『森のスポーツ区2キロコース』は触れれば触れるほどに、二次林の味わいが解り、とても楽しく散策ができますので初めての方も安心してお越し下さい。
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2008年1月17日・ 本日は弓張平公園「森のスポーツ区」を『スケッチクラブ』の仲間がスノーシューで歩きました。事前にパークプラザのスタッフが2キロコースをスノーモービルで踏んでくれる予定でしたが、1m近い深雪のためにモービルは進むことができず、自力ラッセルとなりました。そのためにコースをショートカットしたので新たな発見もありました。
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2008年1月28日・ 本日は久々におだやかな天候になりましたが、先週末は新雪が深く、スノーシューをはいても膝上まで埋まり、ようやく積雪4メートルのラインが現実味をもってきました。 志津地区の今朝の積雪は3.5mで今シーズンでは最高。(※ちなみに昨年の同日は2.7m、一昨年は4.6mです)
 弓張平公園「森のスポーツ区」は、2キロコースとはいえ、風の状態で積もり方には相当のばらつきがあるわけですが、意外にも3メートル弱で、ここ三日間だけで1メートル以上の降雪があった割には増えていません。 つまりは、それだけ詰まって、雪の密度が高くなったということですが、積雪が4mになるということは、雪にとっても大変なことなのです。 ましてや志津は平年の積雪が5m。これはとんでもない数値で、累積の降雪は50mとも言われるわけですが、そんな別世界だから人気があるということです。
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2008年2月4日・ 3日は適度なラッセルで、風も無く、ブナの森はトレッキング日和でした。雪は降り続いていますが、積雪はこのところ3m弱で推移し、着実に雪の密度が増しています。雪の密度を測ったところ、表面の新雪は水を1とした場合、0.11でした。新雪が1m降った場合、降水量は11mmになるということです。ちなみに、積雪2mポイントで密度は0.19、積雪1mポイントでは0.3でした。平均すると0.2となりますが、最高積雪深となる頃にはどの位の密度になるのでしょうか。是非測ってみたいと思います。今回はpHも測ったのですが、雪は予想通り酸性雪でした。3日の時点では新雪の方が、過去の雪よりも酸性度が高かったです。なお弓張平の八幡坂手前の湧水のpHは6.8、水温は8.4度。あらためて森の役割・機能を感じることができました。
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2008年2月8日・ 7日、博物園に入ってみました。積雪は4mを超えてくるとネイチャーセンターの屋根もかなり厳しくなってきます。放置すると軒先などが壊されるので、今週中に機械による排雪作業を実施します。玄海広場の石碑も先端が見えるだけになりました。広場入口にあるブナに気になる食痕をみつけました。秋には無かった食痕ですが、かなり高い位置なのでこれは鳥によるものでしょうか。見守りたいと思います。周海沼の観鳥小屋も先端を残して雪に埋もれていました。
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2月29日・ 2月最後の歳時記です。この間、弓張平地区らしい日々が続き、積雪深も平年並みの4mになりつつあります。こんな世界を地元の子供たちに体験してもらいたいと考えていましたが、少しずつ理解されてきて、今月だけでも三つの小学校と中学校が体験学習にきてくれました。14日は、町立西川中1年生、15日は、町立西山小6年生、21日は、町立睦合小6年生、28日は、町立水沢小4〜6年生。
 いずれもスノーシューを付けて「森のスポーツ区」2キロコースをラッセル体験しながら、積雪3m〜4mの森を予定通り歩くことができました。天候には恵まれませんでしたが、ベテランスタッフの案内指導で安心して楽しむことができました。
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3月05日・ しばらくぶりに博物園の森に行ってみました。青空が出たり、急に吹雪いてきたり不安定な天候でした。2月は雪降りの日が多くセンターの屋根の雪も、落下時にひさしを傷める危険があるため機械で落としてあります。 玄海広場の積雪もかなりの量に達し、測定用の竹ポールの数字は6m弱でした。風が抜けろ場所なので正式記録ではありませんが、広場の石碑もすっぽり雪の中でようやく存在を確認できました。積った雪も硬く締まってきて、スノーシューも殆ど沈みません。天候が安定する3月、いよいよ森のスノートレッキングに最適になってきます。 今年は地質調査のボーリングでセンター100m手前まで除雪されています。雪の壁もかなりの高さになっています。
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3月09日・ 朝から晴れ渡り、今年になって一番のトレッキング日和・・。博物園のトレイルルートをたどり周海沼まで行ってみました。雲ひとつ無い快晴。人工林上の展望地からは白銀輝く朝日連峰までくっきり・・まさに冬季ならではの絶景です。森の名物樹の大トチも例年にない積雪で二股が隠れるほで、大ブナの残幹も先端を1メートル強残すほどの積雪です。周海沼はすっかり雪に閉ざされ雪原に見えます。野鳥観察小屋の屋根は意外にもかなり見えていました。
 センター前のブナの食痕はやはり「鳥」によるものでした。虫を探した痕が、かなり深く残っています。センターから沢伝いに下ると珍しい「雪俵」をみつけました。樹の枝からの落雪や、雪壁の落下が引き金になり、崖を転がり落ちて俵状になったもので、あちこちに見られました。気温が上がり、雪が湿ってくるこの時季ならでは風物詩でしょうか。
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3月19日・ 今月、12日から始まった県道・月山志津線の除雪は天候にも恵まれ順調に進んでいるようです。 ネイチャーセンターも、2月からの排雪作業が実施され、東側の屋根には雪が無くなり、建物管理としては一安心というところです。 ところで、この時期の風景・ブナの梢が赤く染まる現象を「ブナ紅葉」と呼ぶ人がいますが、そろそろブナ紅葉のチャンスが訪れようとしているこの頃です。ブナの冬芽が膨らみ始めるということです。花芽が多い年はより膨らみが大きいので見事ですが、今年はあまり花芽は多く無いようです。 雪虫も普通に見られるようになりました。ヤドリギの実が豊作であるということを再三お伝えしていますが、その実を食べた鳥の糞が、雪の上にいっぱい落ちています。 ヤドリギとしては種が幹に付かないと成長できないので、ものすごい粘りを準備しているわけですが、それでも幹に付けず、雪の上に落ちてしまう実が多いことが解ります。
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