月山学講座・・第3回・・月山の岩石の特徴と月山の生い立ち
参加者14名
2007年9月30日(日曜)
 講演者、中里氏の研究の原点は、子供たちと接し、子供たちの素直な疑問に触れた事・・・として話し始められました。
 自身の素朴な夢であり、疑問でもあった「月山の生い立ちを地質・岩石の視点から深めたい」「博物園の資料では、月山火山の歴史を月山→姥ケ岳→湯殿山の順に捉えていたが、地形の印象からしても、その説には疑問で、納得いく研究がしたい」という研究者の情熱でしたが、これは私たちインタープリターとしても共有化すべきであると感じました。
 日本の火山について根源的なことを言うなら、東西のプレートから圧縮を受けて、南北に縦長になり、それに平行して、それぞれの構造線が走っているが、それが弱体部分となってマグマが噴出しているのが火山である。
 東北全体では40前後の火山があり、それは那須火山帯と鳥海火山帯に整理でき、月山は鳥海火山帯に属し、その根底には大井沢・立谷沢構造線が存在するとのこと。
 月山火山は主に5つの火山から成りたっており、各々の山を構成する岩石サンプルを収集し科学的に年代分析を行ったが、生成は雨告山、湯殿山、藁田禿山、月山、姥が岳の順で、雨告山は88万年前、湯殿山は72万年前、月山は51万年前、姥ヶ岳は36万年前という結果が出たという事です。
 岩石分類上のSIO2モード組成では湯殿山と雨告山の岩石は共通で、Dグループに入り、月山と姥が岳はAグループに入る。その結果から、石跳川周辺には両方のグループの岩石が見られ、園内はとても魅力的な場所であることと解説された。
 
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